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Movie Review 5月24日(THU.)

天使のくれた時間

 ニコラス・ケイジ主演のクリスマス・ムーヴィーが今頃公開です。N ・ケイジは 13 年前の学生時代、金融マン研修のため彼女を捨てた過去を持ちますが、今や M & A (企業吸収・合併)会社の社長としてフェラーリを乗り回し、我が世の春を謳歌しています。

 世間はクリスマスですが、家族なし、かつ 2 日後に巨大合併発表を控えたケイジに休暇という言葉はありません。そこに天使が現れ…、おっと『シティ・オブ・エンジェル』からの連想でてっきりケイジが天使かと思いきや、今回の天使は、我等がドン・チードルだ! 誰それ? って感じですが、「ミッション・トゥ・マーズ」で「火星に行って一皮むけ」(by ヤマネ氏)、『トラフィック』でも大活躍の黒人俳優です。応援しております。フレー。

 そんなことはどうでもよくて、というか、D ・チードルはあまり活躍しないのでガッカリなんですが、ともかく天使のイキなはからいで、13 年前に彼女を捨てず、そのまま結婚していたら? …という“もしも”の世界が展開します。原題は「The Family Man」…日本語でいうなら「マイホーム・パパ」ってところでしょうか? …って、日本語じゃないですね。おほほ。

 バリバリの企業戦士が、ボチボチ家庭の暖かさに目覚めていく、というクリスマス映画の王道ストーリーが展開します。強欲ジジイが愛に目覚める『クリスマス・キャロル』風であり、「もし、あのとき世界旅行に出かけていたら」の『素晴らしき哉! 人生』の逆ヴァージョンですね。

“もしも”の世界のケイジは、タイヤのセールスマン、彼女はボランティア弁護士、二人の子持ちの貧乏白人家庭です。それでも冷たい大金持ちよりゃマシ、という話で、アメリカのホワイト・トラッシュ諸君は大いに感銘を受け、マリア様、キリスト様に感謝の言葉を贈ることでしょう。アーメン。ここで一句。貧乏人 家族がいれば それで良し。

 監督はジャッキー・チェン+クリス・タッカー主演『ラッシュ・アワー』のブレット・ラトナー。なんとなくキャリアアップしておりますね。

 とにかく、大金持ちと貧乏人を演じ分ける N ・ケイジが見事です。というか、いつもの N ・ケイジなんですが。蒸し暑いけどクリスマス映画が見たいナーという酔狂な人にオススメ、ってか、ヤング・カップルが年末にヴィデオで見る方がオススメでんがな。

BABA Original: 2001-May-24;

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