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Movie Review 2000・11月25日(SAT.)

チャーリーズ・エンジェル

 聞けば McG (マックジー)なる監督氏はこれまでコマーシャルや MTV を撮っていたそうで。なのに音楽の使い方が粗雑。70 年代あたりのヒット曲からピチカート・ファイヴまでキラ星のごときポップスが散りばめられているが、どうでもいい使い方。なんでかなぁ?

 オープニングから、分からんことだらけである。おっさんが旅客機からビヨーンとダイヴ。そもそも成層圏を飛ぶジェット機から機外へ飛び出せばたちまち呼吸困難に襲われるのが科学的事実というものではないか? 娯楽映画に何を無粋な、とおっしゃる方もおらりょうが、これは映画的事実でもある。熟練のスカイ・ダイヴァーでも旅客機からダイヴするのは命懸けなのだぞ。ウェズリー・スナイプス主演の『ドロップ・ゾーン』を見てないのか? 見てないか。

 肝心の本筋も分からん。音声認識ソフトウェアの天才開発者が誘拐される。チャーリーズ・エンジェルズの活躍で開発者はアッサリ救出されて目出たし目出たし、と思いきやソフトを取り返さにゃならん、って、おいおい、その開発者はソフトを開発したのではないか? バックアップを取ってなかった、ってのはよくある話だが(そうか?)、もう一度ソフトを作り直せないのか? 分からん。

 そもそも 3 人の美女が男装・パンイチ・全裸を含むさまざまなファッションで、きゃあきゃあ騒いでいる、という映画にスジの通ったお話を求めるのが間違い、と思わぬでもないが、話があまりに白痴的ぞ。ビル・マーレーのギャグもさぶいし、チャドも脱力感満点、というか正視に耐えないし。

 でも、てんでダメかといえば、そうでもなく、キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモアらのカンフー・アクションが素晴らしい! ポーズがばっちりキマっているからオドロキだ。実はそのはず、武術指導はユエン・チョンヤン、なんと『グリーン・デスティニー』のユエン・ウーピンの弟なんだって! 『マトリックス』みたく、出演者たちは撮影前にキッチリ特訓したらしい。ジャッキー・チェンを彷彿とさせるアクション設計で、三人三様のアクションを見せるクライマックスは燃える!

 ともかく、カンフー・アクションは見る価値ありだし、上映時間 98 分と短めなので結局オススメ。あ、ちなみにまたまたカイル・クーパー率いるイマジナリー・フォーシスがタイトル・デザイン担当。どうでもいいですけど。

BABA Original: 2000-Nov-25;

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