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Movie Review 2000・7月16日(SUN.)

プランケット & マクレーン

 プランケット & マクレーンとは、18 世紀イギリスに実在した強盗コンビとのことで、『トレインスポッティング』のすぐキレるベグビーことロバート・カーライルと、007 かぶれのシック・ボーイことジョニー・リー・ミラーが再び共演。R ・カーライル演じるプランケットは元薬剤師で一応インテリ・切れ者なのだが身分が低い。対する J ・L ・ミラー演じるマクレーンは高貴な生まれらしいが根がボンクラ。マクレーンが貴族の夜会に出席、目星をつけておいて、プランケットともに追い剥ぎを行う。殺人を犯さず、金持ちばかりを狙う彼らは「紳士強盗」として人気を博したそうな。ちなみにリヴ・タイラーも出ております。

 18 世紀のイギリスといえば、貴族階級は無用の長物、資本家がのしてくる時代。どこまで史実に忠実なのか? は判然とせぬが、衣装、セットなどニューロマンティックな雰囲気でなかなかよろしい。当時の、病気にかかりそうな感じの刑務所、公開処刑などもバッチリ再現されており、思わずうっとり。

 監督はジェイク・スコット。リドリー・スコットの息子らしいが、そんなこたぁどうでもよろしい。新人監督にありがちな自意識過剰に陥ることなく、堅実な演出。イギリス映画なれど、タッチはちょっと『明日に向かって撃て』風の、アメリカン・ニューシネマ的な雰囲気があり、根底にはイギリス階級社会に対する嫌悪、対してアメリカ的自由に対する憧れがある。一方、曇り空や夜景中心の撮影はイギリス的であり、軽快さと重厚さがないまぜになった味わいがある。

 また、警察が生まれて間もない時代の話でもあり、警察が、当初より金持ちの財産を守ることを主要な任務としていることを認識させてくれる点もよろしい。

 最高! ってわけでもないけど、J ・スコット初監督にしてはがんばってるので、次回作に期待。R ・カーライル好きには、拳銃を撃つところとかカッコいいのでオススメ。

BABA Original: 2000-Jul-16;

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