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Disk Review 2000・4月16日(Mon.)

ガン・ホー

パティ・スミス

 思いの外早いペースで届けられたパティ・スミスの新作は、待ち遠しかったと言うよりは、そっといつの間にか届いていた、という感じでした。CD 屋さんでふと目に入って、気が付けば買っていました。そしてその音の印象はというと、はっきり言ってなんなんだこの迫力は。パティのヴォーカルにはなんか取り憑いているのではと思わせるようなパワーに満ちあふれておりました。

 思えば、高校 1 年生の頃、パティ・スミスをはじめとする一連のニューヨークパンクと呼ばれる人たちを聞き始めた頃。はっきりいって、ドアーズとストラングラーズの見分けがつかなかったり、ルー・リードとサイケデリック・ファーズの見分けがつかなかった頃のこと。パティ・スミスやテレヴィジョンなどは、ロンドンパンクの連中とはまた少し違った意味で、ネガティブなことの象徴のように僕は感じていたのを思い出します(それがたまらなく格好良かったんですが)。しかし前作『ピース & ノイズ』でもそれは感じていたのですが今回はっきり解りました。[確信]です。収録曲にもそのものずばり『PERSUASION』という曲があるように、21 世紀に向かってパティ姐さんなにがなんでも「GUNG HO!」と叫びたかったのではないでしょうか。今の僕に一番かけているものですね、確信というものは。

 バックを支えるパティ・スミスグループの面々は、生え抜きのレニー・ケイをはじめ『ピース & ノイズ』と同じメンバーで最高にユルユルでスカスカのサウンドを提供しております。そして元テレヴィジョンにしてかつてのパティのパートナー、トム・ヴァーラインが 1 曲リードギターを披露してます。そしてなんとパティの息子の若干 17 歳のジャクスンがこれまた 1 曲リードギターで参加! 奇しくもその曲はパティと死別した夫である元 MC5 のフレッド・ソニック・スミスとの共作曲。ということは親子 3 代共演ということか!? 何とも感慨深いものです。

 さてそんな細かいことはおいといて、弱った心に強烈に効く 1 枚。近頃お疲れ気味の人、是非聞いてみて下さい。副作用については責任もてませんが…。

kawakita Original: 2000-Apr-16;

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