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2008年11月03日(Mon)

美容院(その2) 生活

ブラックジャックの全巻セットを読み終わるのが怖い昨今です。…というわけで今日は美容院の続きです。びた一文負けませんぜ!


冷たい秋の雨がしとしとと降り続いていた数日前のことです。買い物にでも励もうじゃないのと、KKちゃんを連れて近所のカルフールという大型ショッピングセンターに赴いてみましたところ、そこに明るくて清潔そうな美容院があるのを発見しました。チラッと覗いてみれば複数の髪切職人がお喋りに精を出しつつ勤務時間を消費している様子で、座席も10台近く具備されております。ここはミラノ郊外であるにも拘わらず “パリのなんちゃら” なんて書いてあって、ナウさを売りにしているお店であることは間違いなさそうです。

私の髪型がヘルメット型になりかかっているのに気づいていたKKちゃんは、「ねえ、あそこで切ってもらったら、ほら!」 とプッシュしてきました。私も髪の毛を切りたかったのですが、なかなか直ぐには決心がつきません。どうしよ。でもエイっと思い切って入ってみることにしました。値段は18ユーロで2,000円強。安いのか高いのかわかりません。

ちょっと小太りの、感じの良い女の人が担当になりました。私を見たとき彼女は黙っていましたが、その表情には自信が漲っていました。「あたしに切ってもらえて良かったね、今日のアンタ、ついてるよ!」 と言わんばかりに。

マッハな早さでシャンプー作業が完了せしめられ、いよいよ髪を切る段階に。

「どう切ります?」

「短くお願いします。でも、軽くトサカができる程度に、上は残しておいて下さい」

「OK。後ろはバリカンを入れてもいいですか?」

「ええ、いいですよ」

イタリアの美容院において、大凡このように注文すれば、自分の理想からさほど遠くない髪型が実現されることを私は体得しているのです。

コホンと咳払い一つ。バリカンの歯をセットした途端、彼女は猛烈な勢いで私の髪の毛を切断し始めました。グイーンバリバリギュヤーン。バリカンをいかに早く動かすかがこのお店の売りなのかしら? と思うほど高速です。後部だけと約束したはずなのに、側面も容赦なくバリカンが。ギャワーンバリバリー。俎上の魚。

バリカン作業が終了した時点において鏡に映った我が輩の髪型を凝視しつつ、私は 「こっ、この見たことのない髪型はっ!」 と息をのみました。私の隣で観察していたKKちゃんは爆笑していました。スポーツ刈りがあるさ、と最終手段を意識しました。

コホンコホンと咳払い二つ。彼女はハサミに持ち替え、髪が残っている上の方を切り始めました。これまた猛烈な勢いで。あたかも史上最高速理髪にチャレンジしているかのような早さで。

チョチョチョジョキジョキジョキーン!
なんという早さ。そして、なんという雑さ。

「はい、できた。どう?」

…ナウさバチグンの角刈りが完成。本当にイタリアはモーダを生み出している国なのですか。KKちゃんは所構わず大爆笑。

「ち、ちょっと角刈りっぽいので、丸みを付けてもらえませんか」

「OK!」

チョチョチョチョチョキーン!

彼女 「どう?」

私 「おや? ………。なかなか、ええやん」

右に座っているKKちゃん 「……。そやな。なかなか。ええやん」

彼女 「じゃ、おしまい」

私  「ありがとう。結構気に入りました。でも、切るのが無茶苦茶早いですねえ」

「そう?」

「間違い無く人生の中で一番早い散髪ですよ。これは」

「うふふ。早さも大事だけど、仕上がりがいいこと、これが一番大切な点よっ!」

ということで、私は少しガタガタしながらも、なかなか良い感じの髪型になっております。ご安心下さい。

Text by power

Comments

投稿者 店主 : 2008年11月03日 10:21

う〜ん、ここはひとつ、是非ともpowerくんの髪型をみたいものだ。
カプチーノの写真の代はりに、変はりゆくpowerくんの髪型を載せてみれば如何かな?

投稿者 power : 2008年11月03日 14:55

そうした方がリアル感が増すとは思うのですが、写真を見て、「なーんだ、ちっとも良くないジャンか!」 とお叱りを受けそうです。想像にお任せ、でご勘弁を~

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