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 Diary 1999・9月21日(TUE.)

ヒロキくんごめん

 あああ、今日は火曜日だから遅番だ。おまけに雨まで降ってるし、きっと暇だろう。ヒロキくんとタイラに任せてゆっくり行くか。と、余裕をかましまくりながら店に着くと、なんとほぼ満席。それにカウンターの上にまで洗い物が積み上がっている。何事だ! あれ、タイラの姿が見えないけどどこいった?「タイラくん今日休みだろ」ガ、ガーン!! そうだった! 忘れていた! 今日は特別にタイラが休みで、かわりに私がはいるんだった。て、いう事は今までヒロキくんがズーっと一人で…ヒロキくんごめん! なんでこんな日に限って忙しいのか。普段は雨ふりの平日なぞ暇なんだが。なんて事いったってしょうがない。ホンマに店主辞めてヒロキくんに譲ろうかしら。ガクッ。

 ヒロキくんに聞いたのだが、イワキリさんとタクヤくんが来ていたそうで、イワキリさんは約束通り「うら」の秘密兵器を、タクヤくんはビンセント・ギャロの手紙かなんかを翻訳する仕事を手伝った報酬に貰ったビンセント・ギャロの本を、オパールに寄贈してくれた。二人ともどうも有難う! ほんとは居るはずだったのに、居なくてごめんね。私は店主失格です。ドサ。

 ヨッシーが来店。ババさんと挨拶をかわす。「オパールのホームページって実はババさんが全部書いてるんでしょう。店主の日記もババさんが書いてると聞きましたよ。」な、なぜ分かったのか。実は本物の店主が、もう書くのが面倒くさい、とダダをこねるので私が代わりに書いているのだ。どだい会社勤めも長続きせず、オパールの仕事にもちゃんと出てこない店主に、日記など書き続ける事は出来っこないのだ。なんてこんな事ばかり書いているからみんな混乱するんだよにゃあ。にゃあにゃあ。

 12 時過ぎに外人の団体がドヤドヤっと来る。別に偏見を持っているわけではないのだが、今まで来た外人の団体というのが、たいがいとんでもなく傍若無人な連中ばかりだったので、いささか警戒する。ほんとマナーを知らないか、日本人を舐めているかのどちらかで、注文をしなかったり、持ち込みをしたり、大声で叫びまわったり、暴れたり、音楽にケチをつけたりする。一度などメレディス・モンクをかけていたら「こんな教会音楽みたいなのは胸糞が悪くなる!」と言ってきたドイツの映画監督がいた。おまえなんか知らないよ。

 まあそれはともかく、今回の団体は普通の人達で一安心。後で聞いた話によると、彼等は日本で仕事をする前に二週間で日本文化を体験させ、理解の一助にしようという日本政府の企画かなにかで日本に来ている団体さんらしく、様々な国の人達だった。イタリア、スペイン、ポルトガル、アイスランド…。そのうちの一人、フランスからやってきたハロルドが、メレディスならぬセロニアス・モンクに反応して話かけてきた。彼はドラムンベースが大好きらしく、フランスのドラムンベースシーンは最悪だが、日本ではどうか? と訊ねたり、この店はベルリンでみたアンダーグラウンド(な?)カフェに感じが似ていて素敵だ、と褒めてくれたりする。かなりオパールを気に入ってくれたのか、皆とともに帰ったあと再び戻ってきて、さらに話をする。

 ハロルドが言うに、日本では夜遅くまで若者達が路上でギターをかき鳴らしたり、踊っていたりするのが面白いという。パリでは夜の 10 時を過ぎて路上で音楽など鳴らそうものなら、たちまち警察にしょっぴかれるそうだ。また去年の革命記念日にパリでタナカフミヤのプレイを聴き、非常に良かったそうだ。…などなど色々とどうでも良いことを喋りまくったが、なにせ言葉が不自由なもんでメチャ疲れた。ちなみに英語で喋ってました。フランス語など全く出来ませんので。

 ハロルドと E メールアドレスを交換して別れたが、メールのやりとりなどするだろうか? 

 彼は今年の 11 月から東京にあるフランスの銀行で働くそうだ。ハロルド、京都に来た時はまたオパールに寄っておくれ。歓迎しまっせ。でもね、ハロルド。トイレぐらいもうちょっとキレイに使っておくれ。そして使用後は必ず流すこと! 

小川顕太郎 Original:2000-Sep-23;