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 Diary 1999・9月10日(FRI.)

ノーザンヴォイス!!

 本日は神戸でノーザンソウルのイベント『ノーザンヴォイス!!』があるので、久しぶりに早番で店に入り、ヒロキくん・タイラ・ネコに店を任せて 20 時過ぎにトモコとともに京都を出る。梅田で会社帰りのベッチと待ち合わせ、そのまま神戸へ。まずは「つぼ八」で軽くお酒を飲み食事を済ませてから、そのまま流れ込むのはなんだからと「ROOKIE BAR」という所で一呼吸いれる。久しぶりに早起きをしたことに加え、仕事の疲れプラス日本酒とワインで、なんだか気持ちいいのか悪いのかよく分からないままに会場である「OTO-YA」の前にまでたどり着き、店外にまで流れ出ているノーザンダンサーに触れた瞬間、魂(ソウル)が覚醒した。

 そこで 6 回転ほどスピンしてバックフリップをきめてから会場に入ったと書けば嘘になるので書かないが、受け付けでキタアキくんの彼女でもあるクールにきめたマイさんと挨拶をかわしていると、隣で野獣の吠声がする。キタアキくんだ。歓迎の意を表わしてくれているのだろうが、すでにかなりテンションが上がっているかんじだ。それが証拠にもう会場内は絶好調でみんな踊る踊る。クルクル回ってピョンピョン跳ねてポンポン体位を変える。皆この間みたときより確実にダンスが上達していて、今日は若い連中に混じってアクロバティックなノーザンダンスをやろうかなあ、などと考えてきた私をビビらす。しかしキタアキくんも老若男女さまざまな人が入り乱れて踊ってもらうのが理想とかいっていたので、ひとりぐらい(いや、ベッチを含めて二人か)変なのが混じっていたほうがバラエティに富んでいいだろうと、まずは軽くバックドロップをきめた。が、腕が痛い!なんじゃこりゃあ!ってもしかしてこれは昨日のボーリングの後遺症か。たかがボーリング 2 ゲームやったくらいでこのざまじゃあ、先が思いやられる。どないしてあんな激しいダンスをやれというのか。まずは基礎体力が必要だと痛感。明日から腕たてふせ一日 100 回だな。

 途中でハプニングがあった。酔っ払った(?)サラリーマンが乱入、女性のお客さんにぶつかるというかまとわりつくような踊りをし、あまつさえ DJ ブースに飛び乗ってガタガタ揺らしたりしたのだ。当然キタアキくんは飛んでくる。よし、いてまうか、と私のようなパンク・ニューウェーブ出身の人間は身構えたのだが、キタアキくんは違った。その酔っ払いの肩を抱いて何事かを耳打ちしながらそっと DJ ブースから引き離したのだ。偉い、大人だねえ。イベント主催者としての自覚に溢れた行動だ。DJ をしていたイワブチくんも(多分レコードが傷ついたと思うけど)よく我慢したと思う。私の若い頃はライブハウスで酔っ払った客がビールなんかを機材にかけたりすれば、即乱闘、血まみれだったものだが、時代が変わったのか。というか音楽ジャンルの違いですかね。

 それでもなんとなく収まらない気分でいた私とトモコだったが、突然トモコは外に飛び出していって休んでいたベッチを連れ戻し、なにやらベッチに耳打ちした。「うん、分かった」といってベッチはフロアに出ていって、逆に酔っ払いにまとわりつくような感じで踊りはじめ、酔っ払いの傍若無人な動きを制する行動にで、最後は酔っ払いの手をとってクルクル踊らせたりした。さすがベッチ。激しやすい私は年下の人達に学ぶことばかりだ。これからは私も理性と自制心を持った立派な大人になろう、と誓ったのだった。うそ。あのサラリーマン今度会ったら絶対こかしたる。

 そんなハプニングがありつつも、全体的には素晴しい夜だった。キタアキ&イワブチ組はいうまでもなく、高松から来ていたゲストの人達のプレイも、マイさんのディスコビートを折り込んだ選曲もメチャ良かった。大音量でノーザンソウルを聴き、イカシたダンサー達とともにダンスするのは「至上の時」だ。全てはこの時のためにあったのだ。最後にキタアキくんは「死ぬまでノーザンヴォイス!! をやり続けるので、みなさん助けて下さい。付き合って下さい。」と述べ、皆の拍手喝采に包まれていた。もちろん死ぬまで付き合うよ、キタアキくん!

 帰りの電車で私とトモコとベッチは半分死体だった。明日もまた働くのかああ、と多分青アザが出来ているであろう膝をさすりながら、私は泥のような眠りに引き込まれていくのだった。

小川顕太郎 Original:2000-Sep-12;