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 Diary 1999・10月14日(THU.)

ネコと神戸

 ネコが神戸に行きたいというので連れていく。京大入学と同時に京都に来てからはや 4 年。医学部なので残すとこあと 2 年。なのに神戸には 2 、3 回しか行ったことがなく、なにがなんやら全然分かっていないという。それではあまりにも勿体ないということで神戸へゴー。

 まずは例のごとく「突撃洋服店」へ。が、しかし、キタアキくんは仕入れで出ており不在。なんか縁うすいなあ、我々とキタアキくん。そんな事とは関係なくネコは「ここ感じイイですねえ」と大喜び。セーターやジャンパーや帽子を買い込む。

 次にお隣の「アダージョ」へ。ここでも店長のネヒラさんは不在だったが、店員のカネモトさんが丁寧に応対してくれる。ここでもネコはコートを欲しがり、最終的にふたつに絞ったものの選び切れず、トモコも買うかどうか悩んでいる服があったことから、閉店間際にもう一度来る事を約束して店を出る。

「バロン YOSHIKAWA」「マニュアルレイバー」など古着屋さんを廻りながらたどり着いたのが、「突撃洋服店」の系列店である「楽園」。ここも古いビルの一階をドーンと贅沢に使ったつくりで、うらやましい限り。店長のホウライさんに久しぶりに会え、挨拶をかわす。京都にジャズのレコードを漁りに行きたいんだけれど時間がなくて、とホウライさん。是非京都にお越しのさいはオパールにも。トモコが、細すぎて誰もはけず売れ残っていたベルボトムをホイホイはくので、アフロのバッチリ似合った店員さんも大喜び。なぜか調子にのってネコまでベルボトムを買う。私はホウライさんの出してくれた冷たいお茶を飲みながらソファに腰掛けてボーっとしていた。すると、「おおお!」という叫び声が店内に響わたった。仕入れを終えたキタアキくんが、一休みしようと「楽園」に立ち寄ったのだ。ううむ、前言撤回。我々とキタアキくんは案外縁が濃いかも。

 なんにせよ会えて良かった。キタアキくんは何故か黒く日焼けしていて精悍さにいっそうの磨きがかかっていた。昔の色白のモッド少年だった頃のことを思えば昔日の感がある。話しは当然ノーザンソウルのこととなり、キタアキくんは熱く語る。「今年は日本のノーザンソウル元年と自分は呼んでいるんですよ」と、キタアキくん。確かに。将来は日本のノーザンソウルシーンの開拓者としてキタアキくんの名前は語り継がれていくことでしょう。

 話しに夢中になっていて、ハっと気がつけば 20 時。「アダージョ」が閉まってしまう! と、ホウライさんが「アダージョ」に電話をいれてくれ、キタアキくん達が「突撃洋服店」の車で送っていってくれる事になった。いや、申し訳ないです。おかげで無事にネコはコートを買えました。トモコも勿論買い込みました。閉店後に店をあけてくれたカネモトさん有難う。

 あまりに散財してお金がなくなったので、ウエナカさんを呼び出してたかる事にする。場所は拡張後はじめて行く「トゥーストゥース」。やはり昔の感じはほとんど失われ、まるで違う店のようだ。でも仕方ないけどね。この手の感慨は客のわがままというものでしょう。ネコに昔の「トゥーストゥース」の説明をしていたのを聞かれたのか、帰ろうとすると店の女の子が外まで送ってきて、「オオノさんの知り合いですか?」と訊ねてきた。いや、その頃通っていただけで別に知り合いではないんだけどね。でもトモコは最初期のアルバイトであるナルセくんとかは知ってるみたい。「トゥーストゥース」でかつてバイトをした人達は、オオノジュンイチのように写真家になったり、ナルセくんのようにバンドでデビューしたり、「ディープ」をはじめ数々のバーを自分達で開いたりしている。ううん、やはり「トゥーストゥース」はイイ店だったんだなあ。はたしてオパールはそんな風になれるだろうか? オオノジュンイチの写真の前であんぐり口を開けているネコを見ていると凄く不安になるのであった。

小川顕太郎 Original:2000-Oct-9;