京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

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 Diary 1999・10月5日(TUE.)

京都系。

 本日は「映画得するデー」なので、店にはいる前に映画を 2 本観る。どちらも「京都朝日シネマ」で、ケン・ローチの『マイ・ネーム・イズ・ジョー』とよく知らないドイツの監督の『ラン・ローラ・ラン』だ。両作品とも主人公にある難問がふりかかり、さて如何にすべきかという「決断」に関わる映画で、『マイ・ネーム…』の方を観ていると例えどんな決断をしようと事態は悪い方向にしかすすまない、と思えるし、『ローラ』の方ではゲームをやり直すみたいに事態を何度でもやり直せれば、そのうちうまくいく事もある、と思わせる。といっても実際我々はゲームをやり直すみたいに、うまくいかなかったからといって事態をやり直す訳にはいかないので、結局事態は悪い方向にしか進まない、と思える。そしてどうしたって悪い方向にしか事態は進まないのなら、それはもう「悪い」方向ではなく、人生そんなものだとも言えるだろう。我々は常に「もしかしたらこうなっていたかもしれない」という可能世界を同時に生きるので、なぜか事態は悪い方向にしか進まないように感じるのだ。しかし『マイ・ネーム…』のジョーが特に「悪い」決断をしたとは思えない。「もっと上手くやれたのではないか」という仮定が、ジョーの決断を「失敗」と思わせるのだ。が、映画の中でジョーも言っているように、「我々に選択の余地はない」のだ。その決断=選択を非難するのはたやすい、しかしそれを生きるのは難しい。ってな事を考えながらオパールに向かう。

「オリーブ」が届いている。今回オパールは「京都系。」という小特集で扱われており、ポップでキュートな若手クリエイター達が集うスペースとして紹介されている。しかし、実をいうとオパールはポップでもキュートでもないのだ。なんというか、ひねくれていて、天の邪鬼で、鬼畜で、どうしようもない店なのだ。これからはオパールの事を「デス京都系。」と呼んで下さい。

 カンベさんと六曜社のオサムさんが来店。「ネコズ・アタック!」で好き勝手に六曜社の事を書いてしまって恐縮の至りだが、オサムさんは終始ニコニコして好意的な意見を述べてくれる。よかったなネコ。でもうちは「デス京都系。」なので、そのうち出入り禁止の店が出ると思うゼ。覚悟してはよ次の取材に行きな。グヘグヘグヘ。

小川顕太郎 Original:2000-Oct-7;