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 Diary 1999・11月8日(MON.)

キタアキくんとマイちゃん

 ハーバーランドの神戸阪急に「テレタビーズがやってきた」展を見に行く。入口では全く可愛くないパチモンのテレタビーズが私とトモコを迎えてくれ、中ではテレタビランドから持ってきた花とタビートーストが展示されているほかは、壁にポツンポツンとパネルがはってあるだけという、やる気のなさ爆発の内容。おまけに客もおらず寂しいかぎりだ。

 それでもいくらか勉強になったこともある。例えばポーがスクーターにのっているときに歌う「ファディ、ファディ、ファディ…」という歌。この「ファディ」は広東語で「速く」という意味だそうだ。そういえばポーの中にはいっている役者さん、チャイニーズ系だったものなあ。それからテレタビーズ達の住んでいる家の正式名称は「タビートロニック スーパードーム」というらしい。ただしテレタビーズ達は難しすぎてこの正式名称を言えないそうだ。さらにテレタビーズはトイレにいかない! つまり排泄行為はなく、飲んで食うばかりとのこと。いや、勉強になりました。

 実をいうとトモコがここに来るまえにいちおう電話をかけて内容を確かめていたのだが、その際に「テレタビーズは来るんですか!!」と訊いたところ「テレタビーズはテレタビランドを出たら死んじゃうんですよ、だから本物のテレタビーズは来れないんです。」と係りの人にいわれていたのだった。だからまあ、予想通りってところか。

 ハーバーランドなんて滅多に来ないので、物珍しげにフラフラしていると、ポールスミスコレクションの店の中から「トオエさん!」という声が。なんと 7 年前にトモコと一緒に働いていたフカイさんという人がそこに居たのだ。ちなみにトオエというのはトモコの旧姓です。しかしよく分かりましたねえ。しばし昔話で盛り上がる二人でした。

 三宮というか元町に戻ってロックンロールエイズの R & B プロダクションに行くと、ケブ・ダージの新しいアルバム「ソウルスペクトラム 2」が壁に貼ってあって、その解説に「裏ジャケに注目! 神戸のポール・ウェラー、キタアキ氏の名前が!」とか書いてあった。で、今から私とトモコはそのキタアキ氏と彼女のマイちゃんとともに夕飯を食べにいくのであった。

 仕事を終えたキタアキくんと 20 時半に待ち合わせ、マイちゃんが残業で少し遅くなるというので、先にエビスビールがやっているという居酒屋へ。キタアキくんとはいつもクラブで会うので、ゆっくり話をするのはこれが初めて。非常に面白かった。キタアキくんは日本のノーザンソウルシーンにおいてはパイオニアなので、その話を聴くだけでも十分に面白いのだが、なんというか話の全体にそこはかとないユーモアが漂っている。これにマイちゃんが加わればユーモア感倍増。いいカップルだなあと改めて感心。

 ケブ・ダージのエピソードや、イギリスのノーザンソウルシーンについて、関西モッズ界の話や、レコード集めの苦労話、映画の話にいたるまで、店を変えて話し続けた。私とトモコ的にはまだまだ喋り足りないという感じだったのだが、お互い終電があるので 12 時前にはお開きとする。なんか話があまりにも面白いので主に聞き役にまわってしまい、キタアキくんは喋り疲れたかもしれない。キタアキくん & マイちゃん、これに懲りていなければ、是非また飲みにいきましょう。

 いやあ面白かったねえ、とトモコと語らいながら JR の駅に着くと、今まさに終電が出たばかり。アホです、私達は。仕方ないのでとりあえず立花の駅まで行って、あとはタクシーでトモコの実家に行く。まったく夜分遅くに迷惑な話だ。しかしトモコのお母さんは、笑顔で迎えてくれる。考えてみれば今年の正月に来たきりなので、ほぼ一年ぶりという事になる。それでお母さんも何となく嬉しそうだったのかもしれない。と、何でも自分に都合良く解釈してしまう私なのでした。

小川顕太郎 Original:2000-Nov-9;