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 Diary 1999・12月14日(TUE.)

エシュロンシステム

 タカハシマキさんが来店。イタリア料理店「イル・パッパラルド」のお菓子を持ってきてくれる。砂糖のまぶされたパン菓子みたいなもので非常に美味。ちょうど来店していたヤマシタさんにも大好評。またマキさんは年末はパリで過ごすそうで、フランス好きでは負けないヤマシタさんはとても羨ましそうだった。

 そこへフランスを馬鹿にすることでは誰にも負けないババさんが来店。数々の冷笑的な台詞で盛り上がったマキさんの心に水を差す。マキさんも「もう、この人にはお菓子をあげないで下さい!」と応酬。

 しかし甘いものが好きなことにかけては人後に落ちないババさんは、マキさんが携帯電話で喋っている間にお菓子をたいらげる。そして電話の終わったマキさんに向かってひとこと。「いやあ、おいしかったです。有り難うございます。さすがイタリア製のお菓子は違いますな。」どこ製と違うの?

 もうすっかり忘れられているかもしれませんが、オパールでは国民総背番号制に反対しています。私自身も忘れがちだったのだが、たまたま本屋に行くと、雑誌の「世界」が緊急増刊号として「ストップ! 自自公暴走」というのを出していたので購入する。

 早速読む。巻頭に「日本の代表的知性のひとり」加藤周一が、あいかわらずトホホなことを書いていて、一瞬購入したことを後悔したのだが、私の関心事である国民総背番号制・盗聴法のところで面白いことが書いてあった。それは「エシュロンシステム」という名のシステムのことで、「アメリカの軍事諜報機関である NSA をはじめ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの 5 カ国の安全保障組織が、連携して構築した地球規模の通信傍受ネットワークシステム」のことだ。

 5 カ国といったって実質はアメリカが主導権を完全に握っているらしく、要するにこれはアメリカが全世界を自らの監視下に置こうとするものだ。日本国内の米軍基地にもエシュロン関連施設があるといわれ、どうやら様々なことを盗聴されているらしい。1990 年にインドネシア政府と NEC の間でまとまりかけていた大規模な商談に、アメリカがわりこんできたのも、エシュロンシステムによって事前に情報を得ていたからだといわれているそうだ。以上はすべて瀧井宏臣のルポ「しのびよる情報管理社会」による。

 やれやれもう大変ですなあ。イスラエルなんかでは電話に爆弾がしかけてあって、盗聴によって反政府テロ組織のものが喋っていると分かれば、爆発させて殺すらしい。盗聴といえばスネークマンショウの「盗聴エディ」や、ローザルクセンブルグの曲で、曲名は忘れたが「盗聴されてるウラウラ!」とか叫んでいたのが思い出されるが、もう笑い事じゃなくなってきているのね。

 神奈川県警が暴力団から押収した写真で女子大生を脅かしていた事件のように、これからは様々に「傍受」された情報によって我々の生活が脅かされるんだろうなあ。ちなみに「プロ」であるヤクザさんによると、重大な事は決して電話なんかで喋らない、ということだ。基本ですな。我々も見習いましょう。私も重大な事は決してこんなとこに書いていません。本当に重大なこと、面白いことはリアル・オパールにて。基本でしょう。

小川顕太郎 Original:2000-Dec-9;