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 Diary 1999・8月12日(THU.)

江藤 淳

 本屋に行くと、各文芸誌が江藤淳の追悼号を出しているので、何冊か買い求める。まともに読んだことはなかったけれど、やはり惜しい人をなくしたという感が強い。だってあの辻仁成をボロカスに叩いていた人だからね。大抵の人はああいう辻仁成みたいな馬鹿は無視するか、福田和也のようにわざとひねくれて持ち上げるかだったのに、あんなにまともに罵倒したりして、やっぱり文学に愛があったんだろうなあ。その辻仁成が芥川賞を獲り、J 文学なるわけのわからんゴミ(JUNK)がうじゃうじゃ現われてきたんじゃ、死にたくもなるよな。って、それは今回の自殺には関係がないのかな。あとでゆっくり読もう。

 その『文芸春秋』に載っていたのだが、日垣隆の「『買ってはいけない』はインチキ本だ」。やはりやってくれましたね。『ダイオキシン猛毒説の虚構』を書いた日垣氏のことだから期待していたら、ほんとにやってくれた。オパールにもネコが寄進した『買ってはいけない』があり、皆でまわし読みしていたのだが、あまりにも論理性や実証性のない文章に「実際のところどうやねん!」とブーブー言っていたところだ。ネコに、おまえは医学部なんだから詳しい事を調べてきてくれ、と頼んだものの、全然調べてこないし。とにかく『買ってはいけない』がバカ売れしているようなので、この日垣氏の仕事は貴重だ。なぜならバカ売れしているという事はふだんあまり本など読まない人達が買っているということで、こういう人達は文章から「これはうさんくさい」とか判断できないから。『買ってはいけない』の文章は詐欺師の文章だからね。

 弥生座ナイトムービーで『シックス・ストリング・サムライ』を観る。そこそこ面白いけど別に…って最近そんなのばっかり観ています。とりあえずレビューしときますか、はあ。

小川顕太郎 Original:2000-Aug-14;