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2015年06月30日(Tue)

MAD MAX/夏至/今週のソウル etc

6月19日〜6月29日

MAD MAX 怒りのデスロード

MOVIXにて「MAD MAX 怒りのデスロード」を観ました。私はそこまでマッドマックスシリーズに思ひ入れはないのですが、さういった個人的な事情はさておき、これは傑作である、と思ひました。ほとんどセリフがなく、全てをアクションで表現しようとする、まるでサイレント映画の様な作品。
冒頭から最後まで2時間、本当にアクションの釣瓶打ち・・・ってかアクションしかないのですが、全くだれることがない。つまりはアクションに様々なアイデアや工夫、表現などが贅沢なまでにぶちこまれ、それが目覚ましい手さばきで駆使される。映像表現の粋です。はっきりいってこれは、単にアクション映画ファンのみならず、全映画ファンの観るべき映画だらう、と思ひました。

今回マックスはかなり地味です。メル・ギブソンからトム・ハーディーに代はった、といふのもあるかもしれませんが、ほとんど存在感がない。代はりに前面に出て来るのが、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサ大隊長を筆頭とする女性たちです。まぁ、かういった文明の崩壊した弱肉強食の世界では、どうしたって男が威張り、女性は虐げられたりするもんですが、それを引っくり返さうとする強い意志。志の高さを感じます。
あと私が個人的に一番好きだったのが、ニコラス・ホルト演じるニュークス。ニュークスはマックスたちの敵であるウォーボーイズの一員だったのですが、色々あってマックスたちと共闘する事になる。もともと単細胞で、親分のためにカッコ良く死ぬ事だけを願ってる様な、はっきり言って“アホ”な奴なのですが、その彼がひょんな事から初恋の味を知り、彼女の為に命を捧げようとする・・・と、中学生マインド爆発のキャラで、もうサイコー!彼が、親分の前でいいとこ見せようと張り切って、ドジってしまふシーンなんか爆笑しました。
このマックス、フュリオサ、ニュークスの三人が血の絆で結ばれる。いや、文字通り血の絆で結ばれる訳で、それを映像でまんま表現したジョージ・ミラーはやっぱ分かってるわー。
ちなみにジョージ・ミラーは70歳らしいけど、イーストウッドやホドさんに較べたら全然若いので、まだまだいける。爺さん監督の時代だなぁ。

夏至

6月22日は夏至であった。私はあんまり、さういった季節の変化には無頓着な方なのだけれど、トモコは違ふ。季節の変化どころか、毎月の月の変化にも敏感で、満月や新月を常に意識してる様子。私も多少はそれの影響を受けて、月の変化などを意識する様になると・・・確かに色々と面白い事がある。例へば、私は店の庭のナメクジ退治を担当してゐるのだけれど、満月や新月のあたりに大量発生する。それとか、昔、店のそばに精神を病んだ人が住んでゐたのだけれど、彼は大抵満月の夜に大暴れしてゐた。あと、満月の日に来店したウノピの顔がテカってる、とか。いや、これなんか最初トモコから話をきかされた時は、まさかそんな、と思ったのだけれど、実際にその次にウノピが満月の時に来店した時によく見たら、本当にテカってゐて衝撃を受けたものです。ウノピ、お前は何者なんだ。
で、夏至なんですが、むろんこれは太陽の日照時間が一年で最も長くなる日です。つまりは最も太陽から受け取るパワーが大きくなる日なのですが・・・しかし、パワーといふのは大きければそれでいいのか、といふ問題がある。バタイユなんかは、太陽から受け取る過剰なパワーが“蕩尽”といふ破壊と消費に向かふと言ってる訳で・・・まぁ、戦争や無意味な官僚機構、生殖を目的としないセックス、なんかですね。むろん、藝術活動なんかもこれに含まれるので、要はパワーの使ひ方が問題だといふ事です。
そんなの当たり前だと思はれるかもしれませんが、案外みんな分かってない。安易にパワースポットを廻ったり、パワーストーンを身につけたり、運気があがると言はれる行為をやったり・・・そんな事してパワーがあがっても、碌な事にならないかもしれないよ?自分をよくみつめ、パワーをコントロールする技を身につけないと。
といふ事で、チャンスでもあるがピンチでもある夏至の日に、トモコはタロットお茶会を開きました。まぁ、タロットは自己をみつめるツールだからね。これによって冷静に現在の自分をみつめ、せっかく受け取った強大なパワーを正しく使ひませうー、って事でせう。
さういへば、今「伝説巨神 イデオン」といふアニメを観てるんだけど(三分の二ほど観た)・・・これもまた、“イデの力”といふ強力なパワーを如何に使ふか、といふ話っぽいね。今の所、敵も味方もこの力に翻弄されっぱなしではありますが。
その他にも、力(パワー)の使ひ方を思ひっきり間違ってる人、といふのが周りに居てですねぇ、ちょいとばかり話題騒然なのですが・・・この事に関しては、残念ながら差し障りがあるので書けません。が、まぁ、力の使ひ方の大切さに思ひを馳せるこの頃だといふ事です。

今週のソウル

レア盤として名高いフレディー・ウォーターズの「Just enough to get me cool」がなんと世界初CD化!私も前から一度聴いてみたいものだと思ってゐたので、購入して聴いてみました。
このフレディー・ウォーターズといふ人はナッシュビルのシンガーでして、コレクター人気の高い人。私もシングルを一枚だけ持ってゐて、Curtomから出された「SINGING A NEW SONG/I LOVE YOU,I LOVE YOU,I LOVE YOU」といふ奴。まぁ、これを買った時はノーザンソウル熱に浮かされてゐた時なので、完全にノーザン耳で聴いたが故か「ふーむ、こんなもんか・・・」といふ程度の印象だったのだけれど・・・それはともかくこのアルバム、素晴らしいです。洗練されたサウンドに、熱いボーカルが絡んで、冒頭の一曲目からいきなり持ってかれます。続くミッド、スローと続く展開も胸に沁みて、カッコいいダンスナンバーがあって、代表曲である「I'm Afraid To Let You Into My Life」に雪崩れ込む。いやー、素晴らしいわ、これ。間違ひなく名盤でせう。これがCD化されて、簡単に聴ける様になって本当に良かったと思ふ。
で、実はこのアルバムと同時に、彼のシングル集も発売。「The Complete ref・O・ree Recordings」。レフォリー(ref・O・ree)といふレーベルに残された彼のシングル集で、これがまた素晴らしい!時代的には前述のアルバムより前の時代(60年代後半〜70年代前半)。私が持ってるシングルも入ってゐて、これはもともとレフォリーから出されたのを、カーティス・メイフィールドが気に入って自分とこのCurtomから再発したものらしい。
とにかくこの曲も、今のノーザンソウル熱から解放された耳で聴くと、とてもいい。じんわりと、くる。まぁ、そんなもんだ。他の曲もどれも良くて・・・ソウルのシングルって、集めて聴くとなれば大変だから、かうやって集めてくれるとほんと助かる。称賛すべき仕事だと思ふ。

あとノーテーションズのシングル集も出た。「STILL HERE 1967-1973」Numeroから。Numeroはいっつもいい仕事するわー。ノーテーションズは、なんといってもジェミゴから出されたアルバム「NOTATIONS」がシカゴソウル屈指の名盤として有名だけれど、むろんこのアルバムの素晴らしさは言ふまでもないとして、私は個人的にはこれより前の時代に録音された「A NEW DAY」といふ曲が一番好きだったのです。これもシングル盤は持ってるのですが、トゥワイナイトから出された「A NEW DAY/**AT THE CROSSROADS」。いや、ほんとこれ素晴らしいんですよ。私の理想とする曲のひとつで。・・・だもんだから、この時代のシングルを集めたものって出ないかなー、と前から思ってゐたので、このNumeroの仕事は嬉しい!ありがたうー。
内容は文句なし。いや、これ、アルバムより愛聴盤になるかも。
いきなりソウルづいてゐる6月なのでありました。

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