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2014年10月24日(Fri)

10月16日〜10月22日 etc

二楽荘と大谷探検隊

龍谷ミュージアムで「二楽荘と大谷探検隊」展を観てきました。二楽荘とは、明治から大正にかけて六甲山麓に存在した建物で、作ったのは西本願寺第二十二世宗主・大谷光瑞。タジ・マハールを模したと言はれるオリエンタリズム溢れる偉容や、日本初とされるケーブルカー、美少年を集めた武庫仏教中学を併設し、私設の気象観測所も備へ、マスクメロンなどの栽培も行ひ、なにより大谷探検隊がインドや中央アジアから持ち帰った貴重な資料が充実し、さかんな仏教研究が行はれてゐた所として有名です。
すでに失はれてしまってゐる(1932年に焼失)こともあり、昔から様々な人々のロマンを掻き立て、私も阪急電車から六甲山を眺めてゐると、二楽荘はどこらへんにあったのかなぁ、とフッと思ふ事がよくありました。

二楽荘の写真は今までにも何枚か見た事はあったのですが、今回の展覧会では見た事のない写真が多数展示され、しかも二楽荘の復元模型もあり、六甲山における場所もジオラマみたいな感じで示してありましたので、長年の餓ゑが一気に癒された感じです。武庫仏教中学の生徒たちが、みな綺麗で聡明さうな顔をしてゐるのも確認できたし。
大谷光瑞の夢見た王国の一端に触れる事ができ、とても興味深く感じました。
また、大谷探検隊関係では、探検隊が壁画を持ち帰ったベゼクリク石窟の再現がなされてをり、まるでその石窟の中に入ったかの様な展示で、それが興味深かった。かういった展示は大事ですよ。昨年の国立国際美術館における「貴婦人と一角獣」展の展示の様にね。この手のものは、鑑賞より体験が大切ですから。
トモコは、その疑似石窟回廊で瞑想に耽ってをりました。すると、念仏奉仕団の方々がドドドッと大量にやって来られて、一気に騒がしくなったので、我々は慌てて退散した次第です。

泣く男

傑作映画「アジョシ」のイ・ジョンボム監督による新作「泣く男」を、梅田ブルク7にて鑑賞。今回の主役は、チャン・ドンゴン。チャン・ドンゴンといへば、四天王の一人ですが、あまりよく知らない。私にとっては、般若のラップのパンチライン「ババアの待ち受けチャン・ドンゴン」によって、ヲバサン受けのする古くさい男前、といったイメージが定着してゐるのですが・・・。
結論として、やはり傑作「アジョシ」の後はキツかったか、といふのが個人的見解。私が思ふに、どーもイ・ジョンボムは「アジョシ」の呪縛から逃れようと、無理を重ねた様子。女性的な「アジョシ」のウォン・ビンに対して、男臭いチャン・ドンゴンを持ってきたのもさうだし、ロマンティックな「アジョシ」に対し、あまりにゴツゴツとして殺伐とした「泣く男」。気持ちは分かります。でも、それが上手くいってるかといふと、さうでもないんぢゃないか、といふのが正直な所です。
むろん、かういふ男臭くてゴツゴツしたガンファイトアクションが好きな人には、もしかしたらオッケーなのかもしれません。が、「アジョシ」ファンの私としては、それは求めてゐるものではない。ちょっと、残念でした。

涼宮ハルヒの憂鬱

アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」全28話を観ました。これは、私が一年前にアニメを見始めるその前から名前は知ってゐた数少ないアニメのひとつです。つまり、それだけヒットした、といふ事でせう。
このアニメ、2006年に最初に放映した時は、全14話であり、しかも時系列をバラバラに切り刻んで放映した事で話題を呼んださうです。で、2009年に新たに14話を加へて今度は時系列順に放映したらしいのですが、その時に「エンドレスエイト」と言って、同じ話を8回もやったりと、なにかと実験的といふか、話題を振りまいた模様。さらに、EDで踊るハルヒたちのダンスが世界的に流行したり、と、アニメ界では様々なエピソードで有名らしい。ま、そんなこと、今回始めて知ったんですけどねー。

個人的な見解を述べれば、このアニメは設定、といふか世界観が秀逸。これだけで保ってる感があります。個々のストーリーは、まぁ、面白いものもありますが、退屈なものも多く、うーん、って感じなのだけれど、でもやはり全てを見終はった後、しみじみとした気分になったので、良い作品ではあるな、と思ひました。
それでも、設定=世界観が秀逸なだけに、その可能性を尽くしてないのが残念ではあります。ハルヒは、世界を破壊し創り変へる事のできる創造神の様な能力を持ってゐるのですが、本人はその事に気がついてゐない。で、ハルヒの気分の浮き沈みや気紛れによって世界が破壊されたり創り変へられたりするのを防ぐために、超能力者や未来人や宇宙人がハルヒの周りに集まり、そこに一般人であるキョン(男子)が混じって、彼の語りによって物語が進行する・・・といふ形になってゐます。ここで、すぐにピンとくると思ふのですが、さう、この話はメタな構造になってゐるのです。つまり、この「涼宮ハルヒの憂鬱」といふアニメは、ハルヒによって作られてゐる、といふ事になる訳です。実際、このアニメの設定は、ハルヒがさう望んだからさうなった、と示唆されてゐますし、制作スタッフの名前の中にも“超監督”としてハルヒの名前がクレジットされてゐます。
要するに、制作側はこのメタな構造に十分自覚的な訳です。その割には、その可能性が尽くされてをらず、表面的なお遊びに終始してゐる所が多いのが、ちょい残念。むろん、時々、そのクリティカルポイントが露呈する場面はありますし、そこは凄く面白いのですが・・・、それだけに、可能性を尽くして欲しかった。
ま、とはいへ、この話は原作のラノベの方では続いてゐる様だし、いつかその可能性の極点が開示される日が来るかもしれません。是非とも続編を希望します!
(あ、さういへば、映画版があるんだった。「涼宮ハルヒの消失」。それ、観なくちゃ)

ハルヒダンス! 曲もいい!

Comments

投稿者 マツヤマ : 2014年11月06日 13:09

「泣く男」
オレはけっこう良かったぞ!でも確かにアジョシと比べるのは酷かもしれないけどね。
オープニングは、おっ、ニール・ジョーダンみたい、カッコいいかも?と期待。ちょっとヘボかったけど、パンパンと細かいカットで進めるオープニングは好き。チャン・ドンゴン初出カットもバッチリ。
アジア系だけではなく、白人、ラテン系も中国マフィアが面倒をみていて、中国とロシアが金を取り合うという構図が面白い。アメリカが舞台の一つでありながら、アメリカ不在、というか荒んだイメージで描かれ、潰れた銭湯を重ねているような気もしないではない。
残念なのは主人公と互角の悪役がいないこと。その点ではアジョシのジョンソク・マンソク兄弟、ベトナム系の殺し屋(悪役側の、というべきか)、とかキャラが立ってたなぁ。あと、照明器具が天井から落ちるタイミングが今ひとつ(ウメ◯トスプロケ…の設計か?)で、しかもあれだけ気を持たせておいて死なないというのもどうかと…
エンドタイトルはけっこう良くて、「スムースオペレーター」と合わせて、表紙裏表紙がバッチリでマル!ということで。

投稿者 元店主 : 2014年11月07日 04:05

あ、マツヤマさんは良かったですか。

私もオープニングはいいと思いましたし、アクションシーンでは要所要所でかっこいい所はあったのですが・・・、やっぱゴンさんがダメだったのが大きいです。破滅型の人間、という設定なんでしょうが、イマイチぴんと来なくて。そもそも、あの泣くシーンがなんだったのか。よくわからない・・・。やっぱ破滅型のやくざなら、北野武だと思います!
あと、ラストもあれじゃあ、辻褄が合わないと思うので・・・。

でも、全体にクールなつくりで、アクションは激しいし、基本、イ・ジョンボム監督には期待です。「アジョシ2」に期待します!

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