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2011年11月05日(Sat)

猿の惑星 創世記 映画

10月の強制起訴映画は「猿の惑星 創世記」ルパート・ワイアット監督です。「猿の惑星」は60年代末から70年代初頭にかけて、計5作撮られたSF映画の古典。10年程前にティム・バートンによってリメイク(?)作が撮られてますが、何故かみんなの頭の中ではなかった事になってをり、この度が本格的な「猿の惑星」のリメイク・語り直しといった感じでせうか。鼎談メンバー3人はいづれも、子供の頃に「猿の惑星」(及び「猿の軍団」)を観て育った世代。なぜ、今「猿の惑星」なのか。みんな少々戸惑ひながらの鑑賞となった様ですが・・・

マツヤマ
面白かったけど・・・、まぁ、フツーだよな。正直言って
元店主
私は最初の期待値が凄く低かったので・・・、思ってたより楽しめた、といった感じです
ヤマネ
御意!・・・シンプルで、潔くて、深みのない作品でしたね!
マツヤマ
確かに、浅い・薄っぺらい作品なんだよ。映像とかは、割とカッコいいんだけど。あの、猿たちが並木道の上を移動して、ガサガサッと葉っぱが落ちてくるとことか
元店主
あそこはカッコ良かったですね。シャマランッぽい。・・・で、元の『猿の惑星』シリーズは、結構政治的な作品で、当時の世相なんかを色濃く反映させた作品だったんですが、今回のは、さういった感がほとんどないと思ひました・・・
ヤマネ
一応、今回のは元シリーズ4作目の『猿の惑星 征服』にあたる訳ですか?
マツヤマ
時系列的にはさうだよな。猿の蜂起・革命を描き、人間と猿の力関係の逆転の始まりを描く、といった点で。
元店主
『猿の惑星 征服』は、当時のブラックパワーの興隆を元にしてるんですよね。猿が案外と頭がよくて、訓練すれば色々と雑役をやらす事ができると気がついた人類が、アフリカとかから猿を大量に捕獲して連れてきて、訓練して奴隷としてこき使ふ。その酷さに怒ったシーザーをリーダーにして、猿たちが人間に対して暴動を起こす・・・と。猿たちの暴動の様子は、当時のワッツ暴動を元に描いてるらしく、『ワッツタックス』とペアで、ソウルファンの間では必見の映画と言はれてゐます
ヤマネ
ヘー、ぢゃあ、今回のは意図的にさういった政治的なものを消し去らうとしてますね!だって、悪役の製薬会社所長は黒人だし、シーザーの目は“青い”し。その様に、政治的なものを消し去った所がヒットの理由かもしれませんね!だってこの映画、凄くヒットしてるらしいですよ、日本で
マツヤマ
まったく、日本らしいといふか何といふか・・・。オレ的には、過剰に説明的なところが気になったな。『パイロットのオレのクルマに何するんだ!』とか。普通、言はんだろ、パイロットのオレ、とか。まぁ、字幕だけど
元店主
ははは。あれ、最後に繋げるためですよね。あのパイロットの人が、世界中に病原菌をバラまいて、人類は絶滅の危機に。そして猿の時代が始まる、といふ訳でせう
マツヤマ
ラスト、飛行機が世界地図の上を飛び交って、病原菌がばらまかれる様子を描くだろ。あんとき、北海道にも来るんだけど・・・、そんな所に空港ないし!そこ、千歳ぢゃないし!って所に来るんだよ。北海道出身のオレとしては、そこらはキチンと描いて欲しかったな
ヤマネ
そんな細かいとこいいぢゃないですか!・・・それよりボクは、ジョン・リスゴーが最高でした!
元店主
えーと、それ誰だっけ?
ヤマネ
主人公のお父さんですよ!アルツハイマーの! で、観てないんですか?『ハリーとヘンダスン一家』!
元店主&マツヤマ
観てなーい
ヤマネ
もう、ダメですね!二人とも!・・・えーと、ハリーといふのは猿・・・ぢゃなくて、ヒグマ?・・・いや、なんていふかチューバッカみたいな動物で、それとヘンダスン一家の親交を描いた映画なんです。むろん、ジョン・リスゴーがヘンダスンさんね。だ・か・らー、猿のシーザーとジョン・リスゴーが仲良くしてる様を観てたら、もう、ああ!ハリー!ヘンダスンさーん!とか思ってしまって。絶対それでキャスティングしてますよね、ジョン・リスゴー
元店主
なるほど。私は、とにかく後半の猿の大反乱がよかった。あれ、文句なしに面白いよ。この映画、あそこが一番いいでせう。あれだけで、全て許せる
ヤマネ
ええー、あそこ、ジョン・リスゴー出て来ないぢゃないですかー。もう死んぢゃってるしー
元店主
・・・シーザーが虐待に耐えかねて、最初に発した言葉が『NO!』といふのも、ベタなんだけど、やっぱグッと来る。それから猿の一斉蜂起!サンフランシスコの街で暴れ回るのは、最高だね。ジョン・リスゴーは居ないけど
ヤマネ
まー、ジョン・リスゴーが居ないのを除けば、あそこは最高でしたね、確かに
マツヤマ
暴動や革命といふのは、いつだって面白いよな。たとへジョン・リスゴーが居なくても。映像として。・・・でも、日本人にその面白さが分かるのか?疑問に思ふよ。だって・・・
元店主
ああ、反格差デモの事ですね!たしかに、この映画は奇しくも世界中で起こってる大反乱とリンクしてしまひましたね!
マツヤマ
さうなんだよ。今、世界中ではデモの嵐が吹き荒れてる訳だろ。アメリカに始まり、ヨーロッパやアジアなど、80カ国以上、約1000都市で反格差デモ、及び暴動が起こってる。ところが日本では、報道さへほとんどなされず。どんだけ情報統制国家なんだよ
ヤマネ
一応、東京でも少しやったみたいですけど。オキュパイド・トーキョー
マツヤマ
でも、100人とか200人とか、その程度だろ?海外では万単位だぜ。しかも、もう一月以上続いてる。日本だって格差は広がる一方だし、そんな所に増税をやるとか、さらに格差を拡げる様な政策を打ち出されてるんだから、暴動が起こっても良ささうなもんだよ。TPPの問題もあるし・・・。韓国では、TPPと似たやうなFTAに対する抗議デモは凄いぜ。機動隊破って国会に突入してたし。映画スターたちも抗議してデモに参加してるしな。完全に負けてるよ、日本
元店主
映画でも負け、政治意識でも負け。日本は韓国に惨敗ですねー。って、別に勝負してる訳ではないけれど。なんか歯がゆい・・・
ヤマネ
ちなみにボク、スマートフォンはサムソンでーす。ちょっとモッサいですけど、性能は日本のメーカーより断然いい!
マツヤマ
さういへば、反韓流とかいふデモはやってたな。そんなテレビで何やらうがそんなのどーでもいいだろ!そんな下らない事に抗議してるヒマあったら、他に抗議することがいくらでもあるぢゃないか。テレビの報道も放射能、放射能って・・・。いや、オレもバリバリの反原発だけど、それだけがイシューぢゃないだらう。今、報道すべきなのはTPPの事。あとはそれこそ全世界的な反格差への抗議の流れのこと。かういった事がほとんど報道されないのは、やっぱ情報統制ぢゃないか?放射能、放射能って騒ぎ過ぎる奴らも、政府の手先なんぢゃないか?って、疑ってしまふよ
ヤマネ
でも、日本でこの映画が流行ってるのは、どうなんでせう?みんな心の底では暴動への共感がある、とか?
マツヤマ
いや、単にガス抜きぢゃないか。この映画みて、みんなスッキリして、もとの奴隷生活に戻っていくんだよ。全く、日本こそは猿の惑星だ!
元店主
たしか、『猿の惑星』の原作者は、日本人をイメージして書いたんですよね。猿を
ヤマネ
う〜ん、みんなどう思ってこの映画を観てるんでせうねー
元店主
・・・実は恐ろしい話を聞いたんだけど。この映画の宣伝、テレビで結構やってるらしくて、それ、この映画を“泣ける映画”として売ってるらしい・・・
ヤマネ
ヘ?さうなんですか?
元店主
うん、なんか試写会みたいな所から出て来た人にインタビュー、みたいな宣伝やってるらしいんだけど、みんなボロボロ泣いてて、『泣けました』とか言ってるらしい・・・
マツヤマ
それ、何かの間違ひぢゃないか?
元店主
ワリイシさんに聞いたんですが・・・。でも、この映画、泣くとこなんてないですよね?一体、どこで泣いたんだろ。特攻したゴリラが死ぬところ?
マツヤマ
あれはやり過ぎ。むしろ笑っちゃうよ。・・・うーん、シーザーが『ホーム』とかいふ所か?・・・いや、あそこも確か、笑ひさうになったな・・・
ヤマネ
そんなの、ジョン・リスゴーが死ぬ所に決まってるぢゃないですか!あそこ以外、泣くところはありません!
元店主
さうだったのか・・・。でも、全体としてこの映画は“泣ける”様なもんぢゃないし、そもそもこんな映画みて泣いてる場合ぢゃない!泣いてるヒマがあったら拳を振り上げろ!
ヤマネ
暴動ですよね!暴動!ウッキー!
元店主
ウキャキャー!
マツヤマ
キー!ウキャッ!ウキャッ!
ヤマネ&元店主&マツヤマ
ウホッ!ウホッ!ウホッ!ホホホホォォー!!!

・・・・・・・・・

トモコ
あー、また三人で遊んでるー。映画観て、帰って来て、お酒飲んで騒いでるんだから、気楽なもんねぇ・・・

11月の強制起訴映画は「コンテイジョン」です。ソダーバーグの新作ですよー。

Comments

投稿者 テラリー : 2011年11月10日 22:12

慌てて「征服」を観ました!
「創世記」は「パイロットの俺の車に~」に僕もひっかかりました。ゴリラを利用して元ボスを屈服させるくだりとか面白かったです。泣けるシーンは一つもなかったと思いますが。しいて言うなら、窓の絵を消すとこですかね?

投稿者 元店主 : 2011年11月13日 01:03

窓の絵を消すところ?・・・それ、どんなシーンだったかなぁ・・・と、思って、ネットで検索してみたら、出て来た出て来た! みんなブログの感想とかで、窓の絵を消すシーンで泣いてたよ・・・。さすがテラリー、大衆の心が分かってるな(笑)。

「征服」はどうだった?

投稿者 テラリー : 2011年11月14日 22:27

コメント欄に大衆の心をお届けしていきたいと思います(笑)。
「征服」は先入観があったせいもあり、もう人種差別ものにしか見えませんでした。
最期のシーザーの演説の盛り上がりが素晴らしかったです!
慈悲を示してしまう部分はいらないんじゃないかなと思いましたが。
「創世記」でシーザーが最初に喋る言葉は、「征服」でシーザー以外の猿が最初に喋る言葉なんですね。

投稿者 元店主 : 2011年11月15日 12:45

あれはどう観ても“人種差別もの”だよな。

ラストの市長に対して慈悲を示す部分は、もともとなかったらしいけど、やっぱそれでは過激すぎるのでは?といふ事になり、公開前に付け足されたらしい。

「創世記」は結構もとのシリーズに対してオマージュ捧げてるみたいで、あの「NO」のシーンもそのひとつだらう。あと、シーザーが檻の中でホースで水責めにあふシーンとかね。あれは1作目で、チャールトン・ヘストンが水責めにあふシーンへのオマージュでせう。

投稿者 cloud : 2012年05月06日 00:22

猿の惑星は日本人ではなく韓国人の大国主軍団のこと。

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