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2011年06月23日(Thu)

アジャストメント 映画

MOVIXにて「アジャストメント」ジョージ・ノルフィ監督、マット・ディモン主演、を観てきました。

これは、いはゆるフィリップ・K・ディック原作のSF映画、といふ事なのですが・・・実は原作と同じなのは、この世には人の運命をアジャスト(調整)する闇の組織がある、といふ基本設定だけで、ストーリ−は全く原作と関係ありません。この映画のオリジナルストーリーです。つまりは、この映画の監督・脚本・製作を一人でこなしたジョージ・ノルフィのオリジナル作品と言ってよいもので、この人、もと脚本家でこれが監督デビュー作といふだけあって、なかなかよく出来たストーリーです。

で、ぶっちゃけた私の感想を言ひますと、なんとも典型的なリバタリ映画である事よのー、といふもの。まぁ、予告編観た時点で「もしかして」とは思ってゐたのですが、その通りでした。自分の人生・運命を操る・管理する組織に対して、主人公が不屈の“自由意志(フリーウィル)”をもって闘ふ、といふ。
ただ、「マトリックス」みたいなリバタリSF映画と違ふのは、別に主人公が特別な力(超能力)を持ってゐる訳ではない、といふところ。敢て言へば、主人公が持つ特別な力とは、“不屈の自由意志”のみ。そして、ここがとても面白い!と思ったのですが、アジャストメント組織側も、そこまで凄い力を持ってゐる訳ではないのです。彼らに出来るのは、バスに間に合はない様に持ってるコーヒーを零させたり、携帯電話を不通にしたり、大きな所で、せいぜい人の気分を楽天的にしたり悲観的にしたりと弄るくらゐです。さうしたちょっとした事の連続で、運命を管理しようとするのだから、まぁ、大変。アジャストメントチームのみなさんは、疲れ切ってゐます。自分の仕事に疑問を持ったりして。とても人間臭ひ。
そんな主人公とアジャストメントチームが、“どこでもドア”みたいなSFアイテムを当たり前に使ひながら、あたふたと追っかけっこ、騙し合ひ、をする所がなんとも面白い映画でした。

大人のSF映画ですね。その分、地味ですが、人生闘ってゐる人たちは、なかなか勇気づけられるんではないでせうか。ラストもちょい感動的ですよ。

にしても、今年はマット・ディモンばかり観てる様な気がするなぁ。

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