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2011年02月19日(Sat)

ウォールストリート 映画

MOVIXにて「ウォールストリート」オリバー・ストーン監督を観てきました。
これは20年以上前に同じくオリバー・ストーン監督が撮った「ウォール街」の続編で、そちらの方は私は未見なのですが、その映画の主人公ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が金融犯罪で長い間服役してゐた刑務所から出て来る所から始まります。正にゴードン・ゲッコーイズバック!!!てな感じのオープニングで、これは一種のピカレスクロマンなのでした。
とはいへ、表の主人公(シャイア・ラブーフ)は他にも居て、そこら辺に少々趣向を凝らしてあり、まぁ、それを書くとネタばれになってしまふのですが・・・。

故に、ネタバレに関係のない事を書きますと、まづ映像がダサイ!・・・いや、これはオリバー・ストーンの場合は必ずしも貶し言葉ではなくて、なんといひますか、オリバー・ストーンはバリバリの左翼な訳です。で、常に言ひたい事、暴きたい事、などがあり、そのために映画を撮ってゐる。が、むろん映画の事も愛してゐますので、映画としても面白いものを撮りたい、と願ってゐて、いつも色々と工夫を凝らすのですが・・・どうにも不器用で、それが出来てゐない。でも、人柄故か、なーんかそこらが微笑ましく思へてしまふのです。嫌になるくらゐ巧いフィンチャーなんかと較べると、余計、微笑ましい。
今回も、やたらと分割される画面とか、ベタ過ぎるモンタージュとか、「な、なんだそれは〜」と思ひながらも、かっこいい映画が撮りたいんだな、頑張ってるんだな、と、観てゐて心が温かくなりました。

先日観たフィンチャーの「ソーシャルネットワーク」は、映像と音楽としての映画といふ観点からはバチグンにカッコ良かったのですが、話の内容的には結構つまらん・・・といふか、実は私、あれから色々とフェイスブックについての本を読んだりして勉強してゐたのですが、それから考へると、あの映画は結果として悪質なプロパガンダなのでは、といふ気もしてきました。まぁ、フィンチャ−は何も考へてないでせうが(ところで“プロパガンダフィルム”って、まだあるんでせうか)。
それに対して、「ウォールストリート」は、映像こそダサイが、内容的には明快。にして善意に溢れてゐます。つまり、金融とかの世界は悪鬼が悪鬼を喰らふ、騙し合ひ、潰し合ひのトンデモナイ世界なんだから、一般人は近づくな。といふ事でせう。アメリカでは、10代のガキンチョまで株や不動産投資をするといふ、些かたがの外れたマネーゲームが横行してゐる訳ですが(大不況である現在ではどうか分からないけれど)、それに対する批判です。お前ら調子に乗ってるみたいだけど、最終的にはみ〜んなゴードン・ゲッコーの餌なんだよ!てな訳です。う〜む、真っ当過ぎる。

しかし、カッコいい映画を作らう!面白い映画を作らう!といふ気持ちが強過ぎて、このメッセージが微妙な変形を被ってゐる、といふのも事実なのですが・・・。

オリバー・ストーン、愛すべし、ですね。

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