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2010年07月03日(Sat)

ザ・ウォーカー 映画

MOVIXにて「ザ・ウォーカー」を観てきました。

デンゼル・ワシントン主演。核戦争後(?)の崩壊・荒廃した世界を、一人の男が一冊の本を持って西に向かふ。その本を狙ふ、荒くれ者集団。果たしてこの本は何なのか。男は西に行って何をしようとしてゐるのか・・・!
といったお話で、ストーリー自体はどうって事のない映画。むしろ肝はその映像美とアクションにある、といふ正統的な映画ではあるのだけれど、はてさて。どうなんでせうか。

確かに、ハッとする様なスタイリッシュで美しい映像も多々あります。が、うんざりする様な凡庸な映像が多いのも事実で、これらが微妙に混じり合ってゐる、といった印象です。
たとへば、荒野の一本道、そこをクルマが走る、みたいな映像がよく出て来るんですが、これが必ずといっていいほど空撮。で、そこに必ずといっていいほど、ドンドコドンドコといった太鼓の音が被る・・・。うーん、こんなシーン、何回観たことか。
また、道の向かうからクルマが走ってくるのを、こちらからカメラで寄っていって、グワッと交差してそのままカメラは空、又は大地を映す、とか。
かういった映像群はホント退屈なのですが、そこに妙にスタイリッシュな映像が要所要所で挟まって、飽きさせない。うーむ、もしかして、巧い、のかもしれんなぁ。

音楽に関しても同様で、電子音がビヨビヨなったり、エフェクターのかかったギター音みたいなのがグワーンとなったりと、これまた凡庸極まりないのですが、そこに突然、アル・グリーンの歌声が流れたりして、しびれる。これは、デンゼルがiPodみたいな機械で音楽を聴いたからなのですが、この瞬間、主役がデンゼルで良かった、と思ひました。これが白人なら、このシーンでロックが流れたでせうし、さうなれば、あまりのダサさに私は映画館を出たかもしれません。(←大袈裟)

個人的には、この映画の肝はデンゼルが***(未見の人のため伏せ字)であった、といふ事。これ故に、最近は嫌味に近くなってゐる(と個人的には思ふ)デンゼルのワンパターン演技(上目使ひの表情とか)が緩和され、非常に良かった。
あとは、荒廃したサンフランシスコの映像がグッド。やっぱ、アメリカで最後に文化を保持するのはシスコだよなー、と。ま、これは私の勝手な思ひ込みですが。

結論としては、全体的に抑制の効いたところが心地の良い佳作、と感じました。少なくとも、「座頭市 THE LAST」を観に行くんだったら、断然こちらを観に行った方がいいでせう。その方が、勝新も喜ぶ、と思ひます。

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