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2010年03月03日(Wed)

MANIFESTO 音楽

ライムスターの待望の復活作「MANIFESTO」を聴いたのですが・・・。

うう〜む、これは・・・微妙だ。微妙すぎる。と、いふか、今、現在の気持ちを正直に書けば・・・、こりゃダメだ。ライムスター、完全に終はってるよー。

・・・いや、よーく聴けば、いい曲もある。EVISBEATSの手掛けた「New Accident」とか、JINのやった「付和Ride On」とか。とはいへ、全体の印象は散々。何より、シングル曲の「ONCE AGAIN」と「ラストヴァース」が酷過ぎる!!!この2曲がアルバムの最初と最後を挟んでゐるもんだから、全体の印象が悪くなってゐる、と思はれる。うむ。

なんでこんな事になってしまったのか。ファンの一人として考へてみました。
まづ、悪い方の推測として、ライムスターは売れ線を狙ったのではないか?といふものがあります。シングルになった2曲は、まるで現行のJ-POPの様に薄っぺらで空疎な感触プンプンです。私には、この2曲は堪へ難くダサく聴こへるのですが、もしかしたら、普通のJ-POPファンは結構この曲を気に入るかもしれません。となれば、正にライムスターは魂を売った事になるでせう。
彼らも、もう40歳ぐらゐのはず。もしかしたら、ヒップホップの理想に疲れ、そろそろ生活の安定を・・・と考へての(活動休止からの)復活、だったのかもしれません。仕方ないのかもしれない。とはいへ、これは・・・、悪い方の推測ですね。

では、良い方の推測とは、彼らは所謂“グッドミュージック”を目指したのではないか、といふものです。
彼らも、もう40歳ぐらゐのはず。そろそろただのヒップホップを卒業して、ヒップホップに根ざした“グッドミュージック”を作らう、と考へたのかもしれません。これも、十分にあり得ます。JAY-Zが目指した道ですね。ただ、だとしたら、JAY-Zと違って、ライムスターはそれに失敗したと私には思へます。これらのシングル曲は、私には“グッドミュージック”ではなく、“ただのよく出来たJ-POP”にしか聴こへません。しかし、それではダメなんだ。何故なら・・・・・・。

日本のヒップホップは、現行マジョリティであるJ-POPに対する批評性を失ったら存在意義はない、と私は考へてゐるからです。ライムスターは、鋭い批評性を持ちながらもポップである、といふ希有なグループだと私は思ってゐたのですが、今回のアルバムでは、少なくともシングルの2曲には、全く批評性が感じられません。むしろ、J-POPに対する迎合が感じられます。
無内容でスカスカなのに、やたら気分だけの前向きさが溢れてゐたり(「ONCE AGAIN」)、センチメンタリズムが溢れてゐたり(「ラストヴァース」)、といふのは、J-POPの最悪な所です。ライムスターがこんな曲をやった、といふのは、私にはちょっとショックでした。何事にも終はりは来る、とはいふものの・・・。

いやいや。私としては、終はりと思ひたくはありません。何故なら、私と彼らはほぼ同世代のはず、だからです。まだまだこれからやん!

といふ訳で、「グレートアマチュアリズム」の精神をもう一度(ONCE AGAIN)!!!

RHYMESTER - ONCE AGAIN

問題の曲。PVまでダサイ・・・。

ライムスター「グレートアマチュアリズム」

傑作。ぜひ、この精神を取り戻して欲しい。

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