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2008年10月17日(Fri)

シスコのカフェ カフェ, 旅行

今日はシスコのカフェ事情について書いてみませう。

もちろん我々は仕事も兼ねて(エッヘン!)旅行に行った訳で、ただ遊んでゐた訳ではありません。様々なカフェの調査、コーヒー類の研究、カフェにおけるワインの位置の測定、カフェに来る人々の社会学的分類、カフェとアートの美学的相関関係の探求、チップとサービスの動態力学的観察、など、自分で書いてゐてもよく分からない事を毎日精力的に行ってゐたのです。・・・やー、楽しかった!

で、結論からいひますと・・・シスコにうまいコーヒーなし!ガガーン!

いや、もちろん全てのカフェを廻った訳ではないので、この言明は非常に非科学的です。が、そんな事をいふと日記が前にすすまないので、ここは私の超感覚的判断に沿って話をすすめたいと思ひます。
むろんここで私のいふ“コーヒー”とは、日本でいふところの“コーヒー”、つまりドリップコーヒー(サイフォンや水だしも含む)の事です。エスプレッソの事ではありません。エスプレッソやカプチーノなら、まー、そこそこのものはありました。でも、いはゆる“コーヒー”の美味しいやつには巡りあへなかった、といふ訳なのです。
そもそもドリップコーヒー自体があまりなく、機械から出て来るエスプレッソを薄めた様な奴とか、元は何か分かりませんが、サーバーに入って保温機の上に乗ってる奴をいれてくれる、といふパターンが圧倒的です。
それでも何軒か、ドリップコーヒーを謳ってゐる店にも行ったのですが、・・・いやはや凄かった!
まづ豆を挽き、それをドリッパーにセットする所までは、日本に較べてかなり繊細さに欠けるとはいふものの、大体同じです。が、次が凄い。私は声をあげさうになりました。な、な、なんと!そこに、熱湯を一気に注ぎ入れるのです!ウワァー!
日本のコーヒーにこだはってゐる人たちが、コーヒー豆にお湯を注いでコーヒー液を抽出するのにどれだけ神経を削ってゐるか。実存を賭けてゐるか。人生を捧げてゐるか。命を張ってゐるか。といふ事を原爆で吹っ飛ばす様なあっけらかんさです。
私は一種の爽快ささへ覚えて、かへって楽しい気持ちになってコーヒーを口に運びました。う〜ん。もちろん、とても不味かったです。

実はブルーボトルコーヒー&Coといふ所がドリップコーヒーにも拘ってゐて美味しい!といふ評判をきいてゐたのです。かのシェ・パニースでもここのコーヒーを使ってゐるとかで。故に、何軒かブルーボトルコーヒー&Coに行ってみたのですが・・・。
確かに、ここではコーヒー豆にお湯を一気に注ぐ様な事はしてゐませんでした。ま、3回には分けてたかな。でも、それぞれには一気に注いでゐましたし、なによりそれをスプーンか何かでかき回してゐるのです!信じられない。
そして、肝心の味の方ですが、・・・うむ。他の所に較べれば、ダントツにマシです。が、日本の“ちゃんとしたドリップコーヒー”の足下にも及んでゐない、といふのが私の偉さうな感想。やはり、コーヒーは日本が一番おいしいんではないでせうか。

しかし、カフェにあるのはコーヒーばかりではありません。ましてや、美味しいコーヒーのある所が良いカフェではありません。カフェとは場所であり、場所の力のあるところが良いカフェなのです。
さういった点からいひますと、シスコには良いカフェがたくさんありましたー!

私のベストは、ブルーボトルコーヒー&Coのバークレー店。といふか、ゲリラカフェ。ここはスタッフが全て黒人の人たちで(我々が行った時の話ですが)、ギル・スコット・ヘロンのTシャツなんて売ってゐて、ガンガンとラテン音楽がかかってゐて、それに合はせてコックの人が歌ったりなんかしてゐる。店の内装も手作り感があり、センスよく、バッチリ。お客さんの黒人の人たちもカッコいいし、トータルで醸し出すオーラが凄い。そこにゐると、自分の中に何かが確実にチャージされます。ローリン・ヒル似の店員さんもよくしてくれたし。こんな所が京都東山にあったら絶対毎日通ふけどなー、と、トモコと共に嘆息しました。

次に良かったのが、カストロ〜ミッション地区にあった“FOUR BARREL COFFEE”。倉庫をそのまま改装した様な造りで、といふか、ホントに倉庫の真ん中に無造作にエスプレッソマシンを2台置き、その周りを手作りのカウンターで囲ったんではないか、といった趣きのカフェです。店の奥には(多分)焙煎機がこれまた無造作に置いてあるし、なぜか自転車もたくさん置いてあるし、はたまた何故かオバマの支援デスクみたいなものまであって、カウンターの隅にはプレーヤーとレコードが置いてあってT-REXのレコードなんかが大音量でかかってゐる。そしてトイレには巨大なシャンデリア。
これ、実は我々が最初にオパールをやる時に考へてゐたカフェに非常に近いんですよね。我々も、どこかの倉庫を借りて、そこにアンティークの家具なんかを“無造作に”ボンボンと並べて、レコードをガンガンかけて、カフェをやりたかったんです。ま、京都ではなかなかそんな場所はなかったんですけど。
わー、やられたなー、といふ想ひと、こんなカフェが実際にあって、自分たちが行く事ができてよかった、といふ想ひがグルグルと交錯して、ジンワリと幸せを感じてをりました。

他にも、モミ・トビーズ・レボリューションカフェとか、ピープルズカフェとか、いいカフェはたくさんありました。こんなカフェたちを毎日グルグル廻って、本をダラダラ読んで暮らせたら最高なのになぁ、と。
先程の結論に、付けたしませう。

シスコにうまいコーヒーなし!ガガーン!
だけど、
シスコにはいいカフェがたくさん!ババーン!!

DSC00300.jpgゲリラカフェ

DSC00236.jpgFOUR BARREL COFFEE


Comments

投稿者 sawa : 2008年10月23日 14:04

シスコいいなぁ!!新生オパールはブルーボトルコーヒー&Co祇園店だったりするのでしょうか?!カフェスイーツはいかがでした?アップルパイやチーズケーキ美味しそ~。

投稿者 店主 : 2008年10月23日 23:37

sawaさん こんにちは!

シスコよかったですよ。とても住みやすい所、と感じました。故に、長期滞在がおすすめ。sawaさんも如何ですか?

スイーツは、とにかく甘い!といふ印象です。カフェスイーツに関していへば、我々が廻った様な所ではあまりなかった様です。せいぜいクッキーとか。ま、お酒飲んでる人も多かったですし。

ちなみに、オオヤコーヒーはブルーボトルコーヒー&Coの何百倍もおいしいですよ!(いや、マジで)

投稿者 けんちゃん : 2008年11月17日 17:04

はじめまして!私がよく行ってるカフェが紹介されていたので、思わずコメント書かせてもらいました!

そーなんですよね、ブルーボトルのドリップはとても残念です。お湯ジャバジャバ注いで、スプーンでグルグルと…。初めて見たときは私もビックリしました。なので、毎週のように行ってますがドリップはまだ一度しか頼んだことがないです。笑 

ドリップコーヒーで言えば、ブルーボトルのカフェで頂けるサイフォンが一番頑張っているかもしれません。他はfour barrelにしてもritual coffeeにしても、ボダムのおっきなプレスで一気に作ってそれを保温機(?)に入れてサーブしていますし。

SFのカフェ、まだまだ頑張ってほしいなと思う部分は多々あります。フード・スイーツは、特にコーヒーに力入れてるお店ではまだ物足りないし、そんなお店でもバリスタによってラテの出来が違ったり。でも、SFのカフェってすごく楽しいんですよね。だからついつい通ってしまう。。。

レストラン、オーガニックスーパー等いろいろ回られたみたいですね!私も大好きなので、SFでの生活はとても楽しいです。シェパニーズは学生の私には遠い存在ですが。。。日本に帰ったときにでも、新店舗(?)に遊びに行けたらなと思います。長くなってしまいました、すみません!

投稿者 店主 : 2008年11月18日 11:50

けんちゃんさん こんにちは!

おおっと!シスコに住んでをられるんですか!
いいなー、いいなー、いいなー、と、シスコの事が懐かしく思ひ出される昨今。そろそろ寒くなってきた京都からの返信です。

シスコには2週間ほど居たんですが、まだまだ行きたくてもいけなかった所がたくさんありました。そもそもカフェなんて、通はなくてはねぇ。

てな訳で、けんちゃんさんも、もし京都にお越しの際は、是非オパールに御立ち寄り下さい。そして、シスコの話を聞かせてくださーい。

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