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2008年01月15日(Tue)

助六 歌舞伎

 正月休みを利用して、やつて参りました東京。といふか、歌舞伎座。もー、最近は「東京に行く」、と言つても、実質は「歌舞伎座に行く」といふ事なので、我ながら嫌気がさしてゐたんですよ。東京にはもつと行きたい所がある! 今回の東京行きは歌舞伎抜きだ! …と、力んでみたのも歌舞伎座での演目が発表されるまでのこと。今年の正月の歌舞伎座は、な、な、なんと! 『助六』をやるではないですかー!!! タッタッタ、ハッ!(←見得をきつてみました)『助六』は私の最も観たかつた芝居。しかも團十郎の助六。くー、これは…。さらにいふなら、息子の海老蔵が歌舞伎座のすぐそばの新橋演舞場で、『雷神不動北山櫻』の通し狂言をひとり五役でやるといふ事も判明。…で、前言撤回。今回の東京行きは歌舞伎のみですよーだ!

 と、いふ事でやつて来たのですが、これまた例年の通り、徹夜での観劇へと相成つてしまひました。昨晩は店を閉めようと思つた途端に何故かワラワラとお客さんが来られ、嬉しいんだけれど困つた様な複雑な気持ちでヒャーヒャーと働き、いつもより遅めの閉店。家に帰つて徹夜で東京行きの準備をし、新幹線でピューッと、東京着。ヘトヘトになりながら荷物をホテルに置いて、休む間もなく歌舞伎座へ。そして、満を持して穫つた最前列の席へトモコと供にドッカと座り、歌舞伎座の大舞台を目前に、瞬く間に眠りに落ちてしまひました。

 …ごめん、幸四郎丈、染五郎丈。一所懸命親子揃つて獅子になり、髪の毛をグルリグルリと回してくれたのはいいのだけれど、あれは強烈な催眠作用がありましたよ。催眠術の振り子みたいなもので…。寝不足の時に見るもんぢやないですね、獅子ものは。

 にしても、『助六』。もちろん最後の演目なのだが、もう意識は朦朧としてをります。幸四郎・染五郎の親子獅子から催眠もかけられた事だし、今から2時間を超える芝居を見るなんて絶対に無理! と芝居前から絶望ムード。こんな楽しみにしてゐた芝居なのに、こんなボロボロの体調で臨むなんて、勿体なさ過ぎる…。

 口上があり、幕があがると、そこは吉原三浦屋の店先。舞台の上方には櫻が咲き誇り、真ッ赤な格子の前に俎板帯に高下駄の遊女たちが出て来てズラリ。目を驚かすとはこのことで、華やかなことこの上ありません。アドレナリンがドバーッと吹き出して、一気に眠気が吹き飛んでしまひました。続いて花魁揚巻の豪華な豪華な花道の出。ここでもアドレナリンがドバーッ! 敵役の意休に対するタンカ「悪態の初音…」でもアドレナリンがドバーッ! 待望の助六の出でもドバーッ! ……と、どこまでアドレナリン使はすねん、といつた具合で、眠気など全くなく、至福の時間を過ごしました。

 ところでみなさんは『助六』を御存知でせうか。助六寿司、などの名前になつてゐる通り、日本で最も有名な芝居のひとつな訳ですが、日本人は『ロミオとジュリエット』は知つてゐるくせに『助六』は知らない、と、時に皮肉られる様に、私が事前に何人かの人たち(歌舞伎を観ない人たち)に調査をした所によると、みなさんあまり御存知ない様でした。

 う〜ん、『助六』は江戸の粋を凝縮した様な芝居でして、“粋”とは何か? なんて事を論じ始めると侃々諤々あつたりする訳ですが、とにかく『助六』が粋を描いた芝居である事だけは間違ひない、と一致する様な芝居なんです。つまり、『助六』を知らずして“粋”を語るなかれ、といつた所なんですが、今の若い人たちは結構簡単に「それ“粋”やん」などと言ふんですね。そんな人たちに、そんな台詞を口にする前に是非とも『助六』を観なさい、と私は言ひたい。もちろん、舞台で見るのが一番いいんですが、それはなかなか難しい、といふなら、今はDVDも出てゐますので、とりあへずはそちらでどーぞ。“粋”とは何か。百聞は一見に如かず、ですよ。

 それにしても、團十郎はカッコよかつた! 福助の揚巻もよかつたし、梅玉の白酒売りも良かつた。ヨカッタ、良かつた、よかつた! とにかく、今年はこの芝居で幕を開けられて、本当に良かつたと思ひます。必ずや、良い年となるでせう。

Comments

投稿者 uno : 2008年01月24日 11:58

お疲れ様です。
助六。助六寿司。揚巻。いなり(あげ)と巻き。
洒落てますね。團十郎の助六、とってもキュートだと思います。

投稿者 店主 : 2008年01月26日 04:05

やー、ホント疲れた。
歌舞伎座改装のため、東京の役者さんたちが松竹座や南座にバンバン出演!・・・てな事になればいいのに。
今年は何回歌舞伎座に行けるかな・・・・・・。

投稿者 サエコ : 2008年01月31日 19:13

歌舞伎、おもしろそうですね!
はじめましてで失礼しました!

投稿者 店主 : 2008年02月01日 17:13

サエコさん こんにちは!

歌舞伎、おもしろいですよ。見た事のない人は、「敷居が高い・・・」とか思ひがちですが、全くそんな事はありません。
* イヤホンガイドを使ふこと
* 最初に(南座の)顔見世は避けること
この2点を守れば、敷居は低いです。
是非、サエコさんも魅惑の歌舞伎ワールドへ、どうぞー。

投稿者 サエコ : 2008年02月02日 17:21

こんにちは!

北海道在住なので(札幌では歌舞伎におめにかかるチャンスはなかなかない)
歌舞伎とは縁がなかったのですが、
店主さんの日記でかなり興味をそそられました。

はじめてでDVDだと寝てしまいそうなので、
東京に遊びに行った際、体験してみようとおもいます!

2点の心得の「イヤホンガイド」とか「顔見世」とか、
そこから知らないですが、
なになに実地で学びます!

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