京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

「いえいえ、日本の会社です。いはゆる現地採用です」

　なるほど。で、何の会社なんですか？

「和総菜の会社です。中国の工場で、中国の食材を使ひ、中国の人たちが作つた“和総菜”を、日本に輸出して売る会社です」

　どこらへんが和総菜なんですか！　…ッて、今時安い食材はみんなさうか。外国からの冷凍食品だからなァ。

「でも、made in CHINAでも、日本に輸出してるのは良いものなんですよ。日本は基準が厳しいから。同じものを中国で買ふと、たとへば電気製品なんかすぐ壊れます」

　ううーん、さうかー。しかし、中国に居ると、音楽や映画のコアなものが楽しめないんぢやないですか。デビィッド・リンチの新作なんか、やらないでせう。

「それはさすがに。外国のものはハリウッド大作くらゐですね。でも、そこまでマニアックなものでなければ、DVDやCDはあります。みんな海賊版ですけど」

　海賊版天国なんですよね。

「ええ、それは全く！　もう学生証から卒業証書に至るまで、みんな海賊版、ていふか偽物が出回つてゐるんです。それが当たり前なんです。なんか凄いです」

　さすが中国！　…ま、でも欧米の音楽や映画なんかなくても別にいいですよね。中国には中国の文化がある。お茶の文化とか、いいぢやないですか。私は憧れますけどね。

「いやー、中国の普通の人はお茶なんて飲まないですよ。あれはお金と暇がある人のもの、ッていふ感じで」

　さうなんですか。ぢや、普通の人は食事の時に何を飲んでるんですか？

「コーラ、とか」

　コーラ、か……。それは辛い。

　それはともかく、次の超大国はアメリカに変はつて中国だとロックフェラーが決めた、といふ話もあることだし、最近の中国はモサドとウラで死闘を繰り広げてゐるといふ話もあることだし、なにかと話題の中国。面白さうぢやないですか。今は断然中国に注目ですよ。歴史の転換期に出会へるかも。頑張つて、働いてきて下さいー。