京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

　さて、大阪から京阪電車で急いで帰つてきて、四条駅で下車、四条通りを円山公園に向けて歩いてゐると、前方、といふか我々のすぐ前にカズ16が歩いてをりました。「お、カズ、カズ！」と私は声をあげたのですが、カズ16は全く聞こえてゐない様子です。私がさらに声を掛けようとすると、トモコがそれを制しました。そして徐にケータイ電話を取り出し、我々の前を歩くカズ16の後ろ姿を写真に撮りました。で、それをカズ16のケータイに送ります。すぐに届いた様で、カズ16はポケットからケータイを取り出し、しばらく見てゐた様なのですが、突然、身を固くしました。そのまま不審な動きを繰り返します。それを息を詰めてみつめる私とトモコ。

　……と、もの凄い勢いでカズ16が振り向き、「ウワアアアア！　き、き、きづかんかつたアアアア！！！」と大声で絶叫したのです！　その時のカズ16の悪鬼の様な顔！　心臓が止まるかと思ひました。

　円山公園に踏み込んだ所で、丁度帰るところのウエナカさんとカツヤマに遭遇したので、ウエナカさんには別れを告げ、カツヤマは捕獲してみんなの居るところに行きました。すでに宴たけなわ、といふか終はりかけてゐて、何人かの人々はすでに帰り、座はかなり乱れてをりました。私も早くみんなに追ひつくために、紙コップで日本酒を駆け付け三杯。瞬く間に世界がグルグルと廻り始めました。

「ケンタロウさん！　ビヨンセのコンサート、どうでした？」と、これはサワさん。

「あ、凄く良かつたですよー、ビヨンセのパンツ丸見えで」と、これは酔つた私。

　しかし、この答へは誤解を招いたかもしれません。ビヨンセのパンツ云々は関係なく、コンサートそのものが良かつたのです。パンツの話は、まー、ネタです、ネタ。ここに確認しておきます。

　…気がつけば、私はどこぞのバーでマルガリータを前にして座つてゐました。今年も、無事に花見が出来て良かつた、と思ひました。