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2007年01月11日(Thu)

壽初春大歌舞伎 歌舞伎

 大阪松竹座に『壽初春大歌舞伎(夜の部)』を観に行つてきました。

 今回は前回の3階席と違ひ、なんと! 最前列かぶりつきです。うーん、やはり私たちの様な素人は前で観ないと歌舞伎の良さは分からないわよ、などと言ひながら、トモコが頑張つてチケットをとつたのですが、いざ席に着くと、そのあまりの舞台との近さにビックリしました。え、海老蔵がすぐそこに!!! ……と、いや、ホント、今回の公演はなんと言つても(我々的には)海老蔵、海老蔵! でした。

 実を言ふと、私、海老蔵とかよく知らないのですね。テレビを観ないものですから、“武蔵”とか“お〜い、お茶”とか見た事がないですし、そもそも動いてる海老蔵を見たことがありません。サトエリ、とか言はれても、ああ、あの東京のクラブで見かけた娘か、でもどんな顔だつたかな? てな程度でして、よく分からない。そら、海老蔵が歌舞伎界の大御曹司である、といふ事ぐらゐは知識として知つてゐますが、それだけ。で、周りにきくと「ああー、海老蔵ねー」「ダメなんぢやない?」とか、割と否定的な意見ばかり聞かされるのです。だから、さうなのかな? と思ひながら観劇に及んだのですが、なんのなんの! ハッキリ言つて、海老蔵すごーくカッコ良かつたです!

 他の出演者に比しても、ダントツに光つてました。…などと書くと、これだから素人は、と、見巧者の人に顔を顰められるかもしれません。ま、そらさうだ。それなら“歌舞伎”といふ枠を外しませう。いはゆる“パフォーマー”として見るとですねェ、私が普段見てゐるアーティストの方々と並べても、遜色がなく光つてゐました。まづ、花道から出て来て舞台上までやつて来て、私のまさしく目の前にドッカと腰を据ゑた瞬間にやられました。ボロボロと泣いてゐるのです。あれ、今にして思へばゴミか何かが目に入つたのでせうが、とにかくボロボロと涙を零しながら、でも瞬きをせずにギョロリと目を剥いて辺りを睥睨する様に、やられたのです。クラプトやDJクイックがステージ上に出て来てパッとステージの雰囲気が変はる、あれと同じものを感じました。オーラがね、出てゐるのですよ。目に見える、ね。

 確かに、演技としてみれば、多少軽薄かな? と思へるところはあつたのですが、そこは素人の強み、歌舞伎そのものが軽薄なんと違ふの? と、勝手にそれは歌舞伎のせゐにして、海老蔵のカッコ良さを堪能いたしました。芸の善し悪しに左右されず、存在感そのものを楽しめたのは、素人の特権として幸せでした。やー、海老蔵カッコいい!

 本日の外題は、歌舞伎十八番のひとつ『毛抜』(これに海老蔵出演)、藤十郎・團十郎の東西トップ初顔合はせになる仮名手本忠臣蔵九段目『山科閑居』(いささか辛気くさい & わざとらしい。が、初めてなので楽しめました)、舞踊として『藤娘』と『供奴』。

 これはチョイと歌舞伎にのめり込む事になるかもしれない、といふ予感を抱きながら、松竹座を後にしました。

Comments

投稿者 akira28000 : 2007年01月20日 00:49

こんばんは、ご無沙汰しておりますakira28000です。

「ご店主さんが近頃歌舞伎づいている」
という噂を小耳にはさんでおります。
今のところ、ご贔屓はやはり成田屋でしょうか?

どうぞ、このままどっぷりとのめり込みください。
そして、年末にはベッチさんと歌舞伎鼎談をいたしましょう。
たのしみにしております。


投稿者 店主 : 2007年01月20日 15:34

akira28000くん こんにちは。
いやいや、まだ見始めたばかりなので贔屓も何もないですよ。少しづつ、色んな事が分かりかけてきてゐる・・・と、言つたところです。ま、今が何を見ても楽しい時期でせうねー。
年末歌舞伎鼎談ですか。面白さうですね。が、実は私よりトモコの方がのめり込んでゐたりするのですが・・・。

投稿者 Betch : 2007年01月22日 12:16

面白そうですね。久々の歌舞伎フォーラムも是非。

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