軽薄テレビ ［尊皇］
ババさん来店。「あれ、この日の丸なんですか？ 祝日ですか？」
いや、その、だから…親王の御生誕を祝つてゐる訳なのですが。
「お、さうか！ ポン！ と手を打つ」
うーん、なんか私の周りでは全く騒がれてゐないんですが、世間ではどうなんですかねェ。騒いでしかるべき、と思ふんですが。
「大騒ぎですよ！ て、いふか、テレビが騒ぎ過ぎです。もう、民放はどこもかしこもその話題で、ハッキリ言つてウンザリです。」
なるほど。それは鬱陶しいですね。にしても、ホントにテレビは軽薄ですねー。皇室に対する崇敬の念なんて欠片ほどもないくせに、かういふニュース種では必ず大騒ぎしますからね。
「全くです。ボクなんて天の邪鬼だから、こんだけ騒がれると、祝ふ気持ちが萎えるんですよねー」
分かります。私も同じですから。…でも、ま、私はテレビを見てないんで、素直に祝つてるんですが、パタパタパタ。
「パタパタパタ…」
パタパタパタ…
「グエムル最高ですよ！」
え？ …あ、韓国映画ですね。怪獣映画。グエルム。いや、グエムル？ グエルム？
「グエムル、です。ナムルと同じ語尾、と覚えればいいですよ」
なるほど！
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