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2005年09月18日(Sun)

最近の腹立つこと 映画

 あー、書くことがない。仕方ないので、“最近の腹立つこと”でも書くか。

 最近の腹立つことと言へば、そりャ何と言つても、TOHOシネマズ2条にて映画上映前に流れる“お知らせ & お願ひ映像”である。あの、携帯電話の電源を切つて、とか、当館にはプレミアムシートが御座いますよ、などと映像でインフォメーションするやつの事だ。

 これは映画館ごとに色々あるやうで、たとへばMOVIXだとアニメーションのカバが出てきて寸劇仕立てでインフォメーションする。煙草を吸つてゐたら火事と間違へられて消防車がやつてくる、とか。ま、かういふのは(下らないけど)別に気にならないのだが、TOHOシネマズ2条のは酷い。神経を逆撫でする。なんと! これが! 全編英語でインフォメーションされるのである!! …で、日本語は字幕のやうに、スクリーンの横や下に表示されるのだ。なんか、それ、洒落てゐるつもりか? また、その喋つてゐることが酷く、人間の尊厳を冒涜するかのやうな寒い冗談(アメリカンジョーク風)を交へてインフォメーションするので、まるで腐つた卵をふき取つた雑巾で身体を撫で回されるかのやうな悪寒が全身に走るのだ。な、なんだこれは! このセンスの悪さ、品性のなさは! とにかく、私は初めてそれを見た(見させられた)時に、飛び上がる程のショックを受けた。ほとんど失神しさうになつたのだけれど、グッと耐へてゐると、最後に、これ以上ないといふほど陳腐でセンチな音楽が流れてきて、「ある人は映画を良い映画だからといふ理由で見る。ある人は映画を、それが映画だといふだけの理由で見る。一体どちらが本当に映画を楽しんでゐるのだらう」といつた内容の事を英語で喋り、私はそのあまりの下劣さ、浅薄さ、偽善性、頭の悪さ、などにとうとう切れてしまひ、そこを飛び出してしまつた。…ま、映画本編が始まるまでには戻りましたが。

 しかし、酷い。酷すぎる。私はこれ以来、会ふ人ごとにこの酷さを訴へるのだが、みんなあまりピンとこないやうで、相手にしてくれない。どちらかと言ふと苦笑してゐる。なぜだ! …私は、もう2度とTOHOシネマズ2条には行くまい、とその時に固く決心したのだが、TOHOシネマズ2条は毎日レイトショーをやつてゐるんだよねー。レイトショーは安い。1200円だ。だから、行つてしまふ。金のないものの哀しさである。金のない人間は、このやうな理不尽な暴力に耐へねばならないのだ。クッソー! 打倒小泉政権!! 打倒ロットンビューロクラシー!!! 

 で、私はこの“お知らせ & お願ひ映像”が始まると、急いで耳を塞ぎ、目を瞑つて、口の中で般若心経を唱へることにした。ギャーテーギャーテーハーラーギャーテー…と、一心に唱へて、自らを守るのだ。

 もしTOHOシネマズ2条に行つて、前列3列目までで、耳を塞いでなにか口の中でブツブツ言つてゐる人間がゐたら、それは多分私です。

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