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2005年04月01日(Fri)

ロング・エンゲージメント 映画

 MOVIXにて『ロング・エンゲージメント』を観る。監督はジャン=ピエール・ジュネ、主演はオドレイ・トトゥといふ黄金の『アメリ』コンビ。スタッフや他の出演者もかなり『アメリ』と重複してゐて、実質『アメリ』スタッフによる新作、といつた趣の作品である。『アメリ』はあまりにも大ヒットしたために、賛否両論喧しかつたけれど、私は肯定派(トモコなどその年のナンバー1に選んでゐた)。理由は色々とあるが、なにより洒落てゐたのが気に入つた。といふと誤解を呼びさうだが、実際、本当に洒落た映画を撮るのは至難の業で、オシャレ映画と称されるものの大半は全く洒落てゐない。洒落たものを作るには、感性と技量の他に最先端のものに参入する才能が必要である。音楽で言へば、今ならヒップホップなんかの中に真に洒落たものがあり、いはゆるフレンチポップやボサノバなんかの中にはあまりない、といふ事だ。

 とにかく、『アメリ』はさういつた真に洒落た煌めきのある作品だつたのだけれど、この『ロング・エンゲージメント』ではさらに磨きがかかつて、ほぼ完璧な域に達してゐる。コジャレタ仕掛けが随所にしてあり、下手すればケッ! てなもんなのだが、これがいちいちビシビシ決まつて、気持ちよい。ストーリーも、一種のミステリー仕立てなのだが、さり気ない伏線が上手く張つてあり、これまた気持ちがよいのであつた。

 で、一寸調べてみたら、この映画には原作があり、なんと原作者はセバスチャン・ジャプリゾであつた! あのミステリー史上に燦然と輝く傑作『シンデレラの罠』のジャプリゾである。なるほど、そりゃ話が面白い訳だ、と納得。が、原作が面白くても、それが映画になつた途端に台無しになるのはよくある例なので、この映画が面白いのはやはり『アメリ』スタッフの功績だらう。見事な映画化である(ッて、原作読んでゐないのですがー。翻訳されたみたいなので、読んでみるか)

 主演のオドレイ・トトゥは、憑かれた女(気が狂つた、と言つても、恋をしてゐる、と言つても一緒)をやれば一流だと改めて感心。『アメリ』の時のモノマニアックな変人振りもハマり役で良かつたが、今回は演技に深みが増して、さらに素晴らしい。完全にファンになりました。

 終始美しすぎるフランスの風景(と対照的な戦場の様子)も堪能できるし、まだの人は是非映画館に駆けつける事をオススメします。(で、その後は真に洒落た店??? オパールへどうぞー)

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