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 Diary 2005年3月18日(Fri.)

反芻

 ハッシー来店。ハッシーが最近本を読み始めた、といふ噂が駆けめぐつてゐるやうで、会ふ人がみんな、本の事を話題にする。ハッシー、今は何を読んでゐるの?

「江戸川乱歩です! 人間椅子最高!」

「うわ! 変態や!」と、コータローくん。「ハッシーは宮沢賢治を読め。それも声を出して読め。『春と修羅』までいけば上等だ、カンパネルラ!」

「乱歩ですか…芋虫最高!」とはアキラ28000。「乱歩が好きなら、横溝正史を勧めます。悪魔が来たりて獄門島の女王蜂がたたりぢやー、なんですよ、スケキヨさん」

 ババさん来店。

「ババさんは何かオススメ本はないですか?」

「へ? 別に、何でもイイんとちやう、字が書いてあつたら」

「キッシッシッシ!」

「何が可笑しいんや! そんな事より……」と、サッと片手を差し出す。そこには勿論、「LIVE STRONG」と書かれた黄色いリストバンドがあつた。ババさんとハッシーの「美しい友情」の証である。

「あ、あ、ああ! いや、昨日はしてゐたんです! ホンマです、今日はたまたましてゐなくて。大切にしてゐます! ホンマです!」

「いや…別にいいよ。どうせショーモナイもんやし。したくなければ、しなくても」

「キッシッシッシ!」

「何が可笑しいんや!」

「ババさん、おもろいです」

「別に笑かしてへんッて」

「キッシッシッシ!」

「だから、何が可笑しいんや!」

「ババさんのヒロシの物真似、おもろいです!」

「ヒロシです、オススメの本をきかれたとです……ッて、今日はやつてないやろ!」

「キッシッシッシ! ついつい思ひ出してしまふんです。一日に何度も笑つてしまひます。」

「笑ひを反芻するな! 君は牛か」

「キッシッシッシ!」

「いい加減にせェ!」

「………」

「………」

「キッシッシッシッシ!」

「反芻するな、ちゅうの!」

「………」

「………」

「キッシッシッシッシ!」

 私も書いてゐて疲れてきました。

小川顕太郎 Original: 2005-Mar-22;