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月曜日のフォーク

 烏丸にある町屋を改装したイタリア料理屋「月曜日のフォーク」に行く。実はこの店とは少しばかり因縁があるのであつた。一寸前のことになるが、「しゃなり」といふ着物雑誌があつて、その創刊号(創刊準備号?)にベッチとワリイシさんがモデルとして(もちろん!)着物姿で載つたのだけれど、その写真の撮影場所が、ここ「月曜日のフォーク」と我が「カフェ・オパール」であつたのだ! …ッて、それだけぢやあまり関係ないのでは? と言はれるかもしれないが、まァ、さうだな。考へてみれば、因縁なんてありませんでした。が、人は因縁なんてなくても店に行く。いけばそこに因縁が生じる。プラス1000円で個室が予約できるといふ事だつたので、個室を予約して21時に店に行つた。22時ラストオーダーの23時まで、といふのも嬉しい感じだ。

 さてこの個室、もと茶室だつたといふが、確かに狭く、それでゐてなかなか感じのよい部屋である。別ににじり口から入る訳ではないが、入り口はしつかり頭を打つぐらゐの低さではある。当然のやうに、私は頭を打ちました。料理は4200円のコースがひとつだけ。で、前菜や第1の皿、第2の皿、ドルチェ、食後のドリンクにそれぞれ何種類かあつて、それをひとつづづ選ぶ、といふ方式である。お、ポンテ・ベッキオみたいだな、と私は思つたのだけれど、料理の感じや味もかなりポンテ・ベッキオ風で、つまり私好み。おいしい。満足度は高かつた。私は調子に乗つて赤ワインのボトルをあけ、飲みきれずにフラフラになりました。

 家に帰り、酔つた勢ひで、ハッシーに渡す本のリストを作り上げる。ハッシーが、去年の映画に続いて今年は小説を読んでみたい! といふので、とりあへず何を読んだらよいかのリストを作つてくれと頼まれてゐたのだが、これがなかなか難しく、難航してゐたのだ。なにせ30歳近くなるまで小説を読んだことのない人間に、一体何をすすめればよいのか! 映画と違ひ本は時間が経てば勝手に終了するものではない。積極的な努力の下に読まなければならない。読みやすく、且つ興味が持続しなければ、読み終へる事はできないだらう。ううーん、どうしやうー! ハッシーには何がよいのか!! と悩んでゐたのだが、酔ひの力で強引にやり遂げた。江戸川乱歩や筒井康隆、村上龍、北方謙三、深沢七郎、町田康……等々。ま、いいや、とりあへずこれらの本にハッシーがどのやうな反応を示すかを見てみやう。

 明日は寒波が来るさうです。

小川顕太郎 Original: 2005-Jan-20;