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 Diary 2005年1月9日(Sun.)

『カンフー・ハッスル』について

 ヤマネくん来店。「遅ればせながら、あけましておめでたうございまーす! いやー、それにしてもハッシーの映画ベストテンにはやられましたねー、打ちのめされました! オイシンなんか軽く超えてゐるぢやないですか!」

 確かに。ババさんも「オイシンとは格が違ふ、較べるのは失礼だ」と言つてゐた。私も同感。て言ふか、我々もみんな負けてしまつた感じ。ハッシーは「100年に1人の逸材」なのかもしれない。骨格いいし。さういへばババさんは、ハッシーに「いま最も世界で映画を愛してゐるで賞」を授与したい、とも言つてゐたな。

「あ! ボクも同感です! ハッシーおめでたうー! …で、もう一方の話題と言へば、ついに出ましたね! ババさんのレビューにおけるオススメ度の満点! いやー、史上初でせう!」

 いや、以前にケン・ローチの『ブレッド & ローズ』が満点獲得してゐるよ。

「あ! さうでしたつけ? てへ、前言撤回! …んー、でも『カンフー・ハッスル』で満点ですかー、いや分かるんですけどね、ボクもメッチャ面白かつたし。でも、やつぱりボクは『少林サッカー』の方が面白かつたです!」

 あ、さう。私は『カンフー・ハッスル』かな。なんか明らかに一線を越えた映画だと思ふぞ、これは。『少林サッカー』も映画史に残ると思ふけど、『カンフー・ハッスル』は映画史を書き換へる作品だと思ふ。

「ふーん、あ、ケンタロウさん、もしかして『キャプテン翼』より『ドラゴン・ボール』の方が好きですか?」

 いや、どちらもそれほど好きぢやないけど…。確かに次々とさらに強い奴が出てきて闘ふ、といふ構図は『ドラゴン・ボール』に似てゐるんだけど、ま、ヒーローものにありがちな構図、とも言へるぢやない。それより『カンフー・ハッスル』は、その泥沼の闘ひを如何に止揚するか、といふ事を最後に示した所が凄いんだよ。チャウ・シンチーの志の高さが分かるよね。一見自分の夢を叶へた極私的映画と見えて、ちやんと現在の世界情勢とも切り結んでゐるといふ。ラストのブルース・リャンに対するチャウ・シンチーのセリフ、感動したでせう?

「もちろん! 素晴らしかつたです! ……ジーン!」

 ………あ、また泣きさう。

「ぢや、我々もハッシーに教へを乞ひますか!」

 うむ、ハッシーなら「如来神掌」を教へてくれるだらう。

 といふ訳で、ハッシー師父、「如来神掌」を教へて下さい。

小川顕太郎 Original: 2005-Jan-9;