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 Diary 2005年1月7日(Fri.)

収支

 トモコに言はせると、私は肝臓が悪いのださうだ。原因はよく分からないが、肝臓はストレスに弱いらしいので、多分ストレスだらう。私のうけてゐるストレスは、それは甚大である。肝臓の一つや二つ、潰れてゐてもをかしくない。で、肝臓のケアとして、トモコに肝油を飲まされてゐるのだが、私はクスリ類を飲むのが大嫌いなので、これがまた大変なストレスとなつてゐる。つまり、ストレスで壊れた肝臓を治すために飲む肝油がストレスになつてゐる、といふ事態な訳だが、結局この事態の収支はどうなつてゐるのか。肝油を飲むのはプラスなのかマイナスなのか。非常に気になつてゐる。ほとんどストレスである。

 これに関連して思ひ出す話があるのだが、それは私が中学生の頃、私の通つてゐた学校はボロッちかつたので、もちろん冷暖房などなく、夏はひたすら暑く、冬は震へるほど寒かつた。そこで我々中学生は、夏には暑いので下敷きで自分を扇ぎながら授業を聞く、といふ事になるのだが、英語の先生がこれをとても嫌い、下敷きで自分を扇ぐことを禁止してゐたのだ。その先生の言ひ分はかうだ。暑さを吹き飛ばさうとしてそんな事をしてゐるのだらうが、下敷きを激しく動かすことによつて身体の内部から熱が生じ、かへつて暑くなつてゐる。滑稽の極みだからそんな事はやめろ、と。つまり、この先生は、下敷きで自分を扇ぐといふ行為の収支はマイナス、といふ判断を下してゐた事になる。しかし、本当にさうだらうか? といふ疑問を私は持ち続けてきた。これもストレスの一因である。

 ところで、ストレスといふ事で言ふのなら、明らかにマイナスなのはこの日記である。書くことそれ自体、書かなければならないといふ強迫観念、書いた後の心配、など産み出すストレスは莫大であるのに対して、得るものはほとんどない。せいぜい、失笑、軽蔑、憎悪、同情、怨恨、勘気、嫌悪、嘲笑、無関心、ぐらゐである。……なんだか、えらく沢山のものを得てゐるやうな気がしてきた。この日記の収支はもしかしてプラスなのか? なんとなく、気分がよくなつて来たので、今日はこのまま寝るとしやう。

小川顕太郎 Original: 2005-Jan-7;