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 Diary 2005年1月5日(Wed.)

カンフー・ハッスル

 MOVIXにて『カンフー・ハッスル』(チャウ・シンチー監督・制作・脚本・主演)を観る。レイトショーだつたので1200円であつた。しかし、これは12000円出しても観る価値のある映画であつた。笑ひ、興奮、涙、ノスタルジー、娯楽作品に要求される全てのものが最高度の水準で詰まつてゐる。私は、新年早々に、本年度ベスト1確実の作品に出会つてしまつた事に思はず動揺した。もう、今年はこれで他の映画は観なくて構はないんぢやないか? …しかし、考へてみれば、また本年末に恒例の映画鼎談「オパール映画ベストテン」をやらなくてはならないので、ベスト1確実の作品だけでなく、ベスト2確実の作品、ベスト3確実の作品、ベスト4確実の作品…と、10本(ワーストを入れれば11本)が確定するまで、何千本も見続けなくてはならない。私は溜息をついた。

 それはともかく、この作品については何も言はない。是非、みなさんに観に行つてほしい。1万円札握りしめて。むろん、1万円札出しても、レイトショーなら8800円、普通なら8200円、レディースデイの女の子や映画の日なら9000円ほど返つてきてしまう訳だが、その差額は、映画の余韻に浸りながらオパールでつかつて貰へれば、それでいい。なにも、ワインのボトルをあけろとか、そのやうな事を言つてゐる訳ではない。1杯500円のコーヒーでいい。1杯500円のコーヒーを、20杯ほど飲んで貰へれば、それでいいのだ。それによつて、この映画の価値はグンとあがると思ふ。少なくとも私はさう思ふ。私の言ふ事を、疑はないで欲しい。『カンフー・ハッスル』の主人公シンは、幻と言はれた「如来神掌」を信じたからこそ、超人となれたのだ。もちろん、もともとシンにはその素質(百年の一人の逸材!)があつたからこそ超人になれた訳だが、それでも「如来神掌」の存在を信じず、子供の頃に練習に励まなかつたら、彼は超人とはなれなかつたはずだ。なので、みなさんも私の言葉を信じて、オパールで散財してください。超人になれます。あなたにその素質があれば。

 閑話休題。前作『少林サッカー』同様、CGの使ひ方がバチグンである。この映画では、『マトリックス・リローデッド』のパロディーシーンがあるのだが(他にも様々な映画のパロディーシーンがある)、『マトリックス・リローデッド』ではカンフーの良さを全て台無しにするやうな酷いシーンであつたのを、同じやうな事をしてなぜここまで興奮(と笑ひ)があるのか! といふやうな素晴らしい出来に仕上がつてゐる。やはり、本質的なことが分かつてゐる人間が作ると違ふ。これぞ、チャウ・シンチーが「如来神掌」を会得してゐる証拠だらう。ハー!!!

 みなさんも、是非「如来神掌」に押し潰されに行つて下さい。

小川顕太郎 Original: 2005-Jan-8;