京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > Diary > 05 > 0201
 Diary 2005年2月1日(Tue.)

STREET'S DISCIPLE

 寒い。あんまり寒いからか、お客さんもあまり来ないし、常連さんも来ない。故に特に書くネタもない。仕方ないから、音楽のことでも書く。

 NASの新作『STREET'S DISCIPLE』が出た。今や西モノと南モノばかり聴いてゐて、東モノはほとんど聴かなくなつてしまつた私だが(モス・デフの新作もメイスの復活作も聴いてゐない!)、NASは別格。先頃の米大統領選に絡む発言でも大いにNASを支持してゐたので2004年9月13日の日記参照)、その事をラップした『AMERICANWAY』といふ曲が入つてゐるといふだけで大いに期待してゐたのだが、やはりなかなかの好作であつた。すでに各所で言はれてゐる事だが、2枚組といふボリューム故か、いささか散漫な感じは、確かにある。が、それでも一曲一曲の面白さは格別だし、2枚続けて何度でもリピートして聴いてしまつてゐるこの頃である。ところでかういふ作品を聴くと、英語が分からないことが心底悔しくなる。訳詞を読んだところで、リリックの素晴らしさは伝はつてこないからだ。リリックは詩だから、やはりネイティブか、かなり高度に英語を解するものぢやないと、その良さは分からないだらう。(さういへば、リービ英雄の『英語で読む万葉集(岩波新書)といふ本が出たけれど、あれはどうなのだらうか? 英語で万葉集の良さが伝はるのだらうか?)

 しかし、NASの凄いところは(いや、NASに限らず優れたヒップホップはみなさうだけれど)、リリックの良さが伝はらなくても、音楽として充分楽しめてしまふところだ。実際NASのラップはイイ! 多分、バックの音を全て消して、ラップだけを聴いたとしても、充分に面白いと思ふ。声、フロウともに素晴らしい。NASは前作で「GOD'S SON」と名乗つたけれど、正にヒップホップにおける神慮の子であると思ふ。ラップの凄さを体感するには最適の一枚です。

 とか言ひながら、LIL JON & EAST SIDE BOYSの新作『CRUNK JUICE』の方が気に入つてはゐるのですが。

 外は吹雪いてゐます。

Amazon.co.jp
関連商品を探す
小川顕太郎 Original: 2005-Feb-1;