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 Diary 2004・9月3日(Fri.)

男のロマン

 アキラ 28000 来店。今日は是非これをみんなに見て貰ひたくて、と、黒織部の茶碗を取り出す。さきほどたまたま入つた古美術屋で一目惚れして、購入に及んだのだといふ。側面に描いてある渦巻き模様がタコの顔に見えたので、私が「タコチューみたいだね」と言へば、「それを銘にします」とアキラ 28000 は受け、茶碗に頬を擦りつけたりした。横で見てゐたハッシーが、「いやー、なんか奥深さうですねー」と言へば、アキラ 28000 は一通り蘊蓄を開陳した後、「黒織部は男のロマンなんですよ」と最後に添へた。その「男のロマン」を抱へて、アキラ 28000 は帰つていつた。

 ヤマネくん来店。「どうです! 『釣りバカ 15』良かつたでせう!」と言ふ。確かに、私はヤマネくんに薦められなかつたら、この傑作映画を観ることはなかつただらう。ヤマネくんに感謝!

「いやー、江角マキコ、最高でしたねー。あの仕事を失ふはめになつて落ち込んでゐる時に、スーさんに『良かつたら、我が社の顧問として働きませんか』と言はれるシーン、あれは年金未納問題で叩かれて仕事が激減して失意の中にゐる江角マキコを、今回の映画のヒロインに大抜擢した事と重なつて、名シーンでしたね。あの時の江角マキコの涙は、本物でしたよ。最高! それと…あのラストの名シーン! あの『麦秋』のシーンをもう一度観たくて 2 回目観に行つてきました! …1 回目はロードショーが始まつてすぐに MOVIX で観たんですけど、その時は満席で、もうみんなドッカンドッカンうけてゐて、メチャメチャ気持ちよかつたんですけど、2 回目は先日イオンシネマ久御山で観たんですが、観客はボクひとりでした! …でも、おかげで江角マキコ独り占めですよ。どう考へてもボクに話しかけてゐるとしか思へない! 『わたしのやうな、*****で、かまはない?(まだ未見の人のため伏せ字にしました)』とボクに向かつて言はれたら、もう、…思はず映写の人に、『今のシーン、もう一回!』と叫びさうになりましたよ」

 うーん、楽しんでゐるなァー。でも、確かに、江角マキコは最高だつた。あのシーンは、やはり大スクリーンで観たいよねー。と、いふ訳で、みなさんにもしつこくオススメしておきます。なんでも『釣りバカ』は 1000 円均一らしいので、劇場で観ない手はないですよ。

 ん? といふ事は、私はわざわざ映画の日に『釣りバカ』を観ることはなかつたんぢやないか。しまつた! それなら『モナリザスマイル』を観るんだつた! …でも、いいや、『釣りバカ 15』、傑作だつたし。

 この後、『誰も知らない』を巡つても論談風発したのだけれど、それはまたの機会に。

小川顕太郎 Original: 2004-Sep-5;