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 Diary 2004・10月23日(Sat.)

転職!

 クラタニくん来店。久しぶりである。一体ここ数ヶ月、何をしてゐたのか。また、家に籠もつてゲームでもしてゐたんぢやないのか。

「実は、転職をしやうと思ひまして、家に籠もつて勉強してゐたんです」

 えー! クラタニくん転職するのー! それは、ビックリ。詳しい話をきいてみる。

 それによると、クラタニくんが転職しやうと思つたのは今年の夏、ボーナスが出なかつた時のことのやうだ。別にボーナスがなくて腹が立つた、とかさういふ訳ではない。昨年あたりから急速に会社の経営が傾いてきてゐることに気がついてゐたクラタニくんは、あ、これはヤバイ、と思つたのだ。クラタニくんは現在 28 歳。今なら、なんとか転職できる、でもこれがラストチャンスだ、と決断したのだといふ。そこでクラタニくんは技術職につく事を考へた。クラタニくんは現在の会社でズウッと営業だつた訳だが、営業としてはかなり有能であつたといふ自負があるものの、そんなものは転職の際には何の役にも立たない、といふ事に気がついたからだ。取引先との間に、特殊・強力なコネクションを持つてゐて、それを持つて転職できる、といふ場合以外、営業は何年やつてゐやうと、そんなもの実績ナシ、なのだ。で、技術職。クラタニくんは工業学校電気科を出てゐるので、なんとかその方面で、と中途採用の告知を出してゐる会社を探し、同時に勉強も始めた。なにせ、今まで全く関係のない仕事をしてゐたのだから。

 何社か受けてみた。しかし、悉く落とされる。それも仕方がないかもしれない。中途採用なのに、全く技術職経験なし、といふのは、どう考へても不利である。そこで、クラタニくんは考へた。もつと自分をアピールせねば! …で、自己投資として、パソコンを組み立ててみることにした。色々とパーツを買つてきて、自分でパソコンを組み立ててみる。これによつて、パソコンの大体の仕組みは分かる訳だ。そして、履歴書に「趣味 PC の組み立て」と書き込むことにした。たとへ技術職経験はなくても、機械いじりの好きな人間、といふイメージを与へるためだ。

 次に、NOVA に通ふことにした。クラタニくんは 2 年近くイギリスにゐた事がある。それは、もちろん当時モッドであつたが故の憧れで行つたので、向かうでもクラブ通ひをしてゐた訳であるが、それを「将来国際的に活躍できる仕事につきたくて語学留学をした」と履歴書に書くために、その裏付けの実力をつけねばならない、と考へたからだ。

 あとは営業の仕事で鍛へたお得意のトークで、自分のやる気・誠実さ、真面目さ、潜在能力の豊富さを、面接にてガンガンにアピールすると、見事! 16 倍の難関を突破して、今週の水曜日に内定を獲得したのであつた。

「いやー、もう、実は今日が久しぶりの週末なんですよ。ズウッと、家に籠もつて勉強してゐましたからねー。今日は、飲むぞー!」

 うーむ、凄い! いや、ホント感心した。なかなか出来るこッちャないと思ふぞ、うん。

 とりあへず、クラタニくんの新しい門出に、乾杯!

小川顕太郎 Original: 2004-Jan-25;