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 Diary 2004・10月19日(Tue.)

メディア・ハイジャック 2

 昨日の続き。メディア・ハイジャック、つまり現在のマスコミ(テレビ & 新聞)に対抗できるオルタナティブ・メディアとしては、何があるだらうか。多分、一番強固なのは、本と信頼できる年長者、なのだ。しかし、現在は本も下らないモノが氾濫し過ぎて、良書に辿り着くのがかなり困難になつてゐる。信頼できる年長者も、どこにゐるの? といつた感じだらう。で、出てくるのがインターネット。インターネット、か。実を言ふと、私は未だにこのインターネットといふ代物にはイマイチ信頼がおけないのである。もちろん、インターネットが多分、オルタナティブ・メディアとしての最右翼に位置してゐる事は認めるし、その潜在的可能性も凄いだらう、とは思ふ。しかし、やはり私は感性がすでに古いのか、どうにも馴染めないのだ。インターネットは巨大なゴミ捨て場である、といふ感じを拭い去れない。その理想とする所の共和主義的な性格も、胡散臭い。そもそも私は、共和主義に懐疑的である。全ての独立した個人が平等・対等に繋がる、なんて、絶対にあり得ないと思ふのだが。

「ブログはどうですか、ケンタロウさん」と POWER くん。

 ブログ? あァ、最近やたら話題になつてゐる奴だね。んー、あんまり詳しく知らないし、よく分からない。なんでそんなに騒がれてゐるの、ブログって?

「もともとブログに注目が集まつたのは、911 の時なんですよ。あの時に、ブログを通じて草の根で情報が共有でき、かなりみんな助かつた、といふんです」と、POWER くんは、何も分かつてゐない私に説明を始めてくれた。

 それによると、ブログの最大の特徴は、その簡便性と自動生成システムにある、といふ。まづ、従来に較べれば格段に簡単に誰でもサイトが造れるやうになり、自由にリンクを貼ることができる。そして、さうやつておけば、(もちろん最低限のアクションは必要だが)ドンドン勝手に情報が集まつてきて、更新されていくのださうだ。POWER くんの友だちが「はてなダイアリー」とかいふブログを使つたサイトをやつてをり、これがなかなかの成功を収めてゐるといふ。なるほど。必ずしも既存のメディアに規制されない情報の集積点を大量に作る、といふ事だな。それによつて、マスコミでは流されない情報に簡単にアクセスできるやうにする、と。それは面白いかも。しかし、疑問点も多々ある。まづ、集まる情報の質をどう整理・管理するのか、といふ問題。次に、いくら簡単だと言つても、やはり能動的にアクセスしなければならないので、テレビのやうな垂れ流しメディアに本当に対抗できるのか、といふ事。また、映像の持つ麻薬性・洗脳性に対抗できるのか、といふ事。等々。

「確かに、日本では自分の発した情報・発言に責任を持つ、といふ姿勢がない人たちが多く、インターネットも匿名の書き込みが多いので、ブログは頭打ち、といふ話もあるんです」と、POWER くん。

 ふむ。しかし、まァ、BY ALL MEANS NECESSARY (bv マルコム X)といふ事で。

小川顕太郎 Original: 2004-Jan-21;