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 Diary 2004・10月17日(Sun.)

小泉!

 ババさん来店。小泉政権は酷すぎる! といふ話をする。いや、実はこの事はいつかは書かねばならないと思つてゐたのだが、ホントに、私は小泉に関しては腹がたつてゐる。それもここ 1、2 年の話だが、それはやはり「裏切られた」といふ思ひが強くあるからだ。

 小泉政権は、発足時から驚異的な支持率を誇り、いはゆる国民の間では大人気であつたのだが、逆に論壇の間ではもの凄く評判が悪かつた。知識人といはれる人々は大抵、当時は田中真紀子とセットでだが、ムチャクチャにこき下ろしてゐた。ワイドショー政権、とか何とか言つて、何も分かつてゐない(バカな)国民にテレビを通じて人気取りをするだけで政策内容はゼロ、自分の権勢欲と利権だけを求めた最低の政権、人間としても問題アリ、と、ほんとボロカスであつた。私は当時、かういつた状況に不快を感じてゐた。そこまでの人気があるといふ事は、やはり何かがあるだらうに、それを全て国民がバカなせゐにして、自分は高みから分かつたやうな口をきいてゐる知識人連中に、深い嫌悪感を感じたのだ。それに私は当初の小泉政権に、期するものもあつた。それは小泉が、77 個の特殊法人を潰さうとしてゐたからだ。

 私は当時も今も、ズウッと「小さな政府」論支持である。官僚が肥大した国家はろくなもんぢやない、なるべく官僚の数は少ない方がよい、金だけ食つてゐる「国家公務員」の巣窟、特殊法人なんてトンデモナイ! と考へてゐるので、これを潰さうとしてゐる小泉政権の方針(聖域なき構造改革?)は、正しいと思つたのだ。また、当初からアメリカべつたりと見えない所もないではなかつたが、日本の首相はアメリカと上手くやつていかないと政権は維持できないのも事実なので(アメリカに逆らうと、田中角栄のやうに潰される)、適当に表面だけ合はせてゐるんぢやないか、と好意的な見方をしてゐた。あの森派の人間といふ事実や、靖国参拝問題に関する表明など、愛国的な人間だと思はせる要素も多々あつたからだ。しかし……

 あれから何年経つたのか。特殊法人はチットモ潰れてゐない(1、2 個は潰れたのか?)。アメリカべつたりの姿勢は、表面的なものだけでなく、骨髄にまで徹してゐるやうに思へる。特に、大銀行を潰して外資に金が流れるやうにしやうとしてゐる政策は、売国奴的だと言へる(竹中!)。そして、ここ最近の増税の嵐! 酒税や煙草税が上がつたのはもちろん、国民健康保険の自己負担率も上がつたし、年金の負担率も上がり、消費税を納めなければならない店の範囲を大幅に広げ(オパールも入ッちまッたよ!)、さらにフリーターからも税金をとる事を狙ひ、消費税のアップも狙つてゐる。ムチャクチャだ! 大体、「小さい政府」といふのは、官僚機構が小さくなり、お金もかからなくなつて、税金は減るはずなんだ。それがこの増税の嵐。もう、当初思つてゐたのと正反対。全てが悪い方向に向かつてゐるんぢやないか? とまで思へる。ことここに至つて、私はハッキリと言はねばならない。小泉、お前には裏切られた。許さん!!!

 …が、私がここでこんな事を言つても、何の影響力もないのだ。大体、ここまで増税されて、みんなは怒りだしてゐないのか? と不思議でならないのだが、世間ではテレビで取り上げない事は「ない」も同然なのだらう。また、みんなテレビに洗脳されて、イチローやマツイや楽天などの事で、頭が一杯なのだらう。今になつて分かるが、論壇誌の人たちの小泉非難があんなにヒステリックだつたのは、所詮自分たちの言ふ事は「ごまめの歯ぎしり」に過ぎないと分かつてゐたからなのだらう。しかし、たとへそれが「ごまめの歯ぎしり」に過ぎないとしても、言ふべき事は言ふべきですね。言へる限りは。

小川顕太郎 Original: 2004-Jan-19;