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 Diary 2004・11月14日(Sun.)

タクシー

 仕事が終はると、原則として歩いて家まで帰るのだが、雨が降つてゐる時やメチャメチャ疲れてゐる時、次の日に用事がある時などは、タクシーに乗つて帰る。で、今日は2プラス3番目の理由で、タクシーに乗ることにした。

 さて、どのタクシーに乗るかだが、河原町通りにズラリと何台も止まつたタクシーのうち、大抵はMKや都、エコロなど、乗車賃の安いタクシー会社のタクシーを選んでのる。これが基本方針だが、もしそこに個人タクシーがあれば、必ずそれに乗るやうにしてゐる。それは、個人でやつてゐる人を応援したいといふ気持ちがある事はもちろん、個人タクシーをやるにはタクシー会社で何年以上か勤めて、且つある程度優秀な人でなければならないので、安心して乗ることが出来るからだ。運転が乱暴であつたり、道がチャント頭に入つてゐない、といふ事はまづない。それに加へて、個人タクシーの運転手は、チョット変はつた凝り性の人がやつてゐる可能性が高くて、なかなか楽しめたりするのだ。

 今日も個人タクシーを見つけたので、それに乗る。そのタクシーは、トモコは一度乗つた事があるさうだが、お尻のところが丸くなつたやや大きめのクルマで、「いい音あります」とか書いたステッカーが貼つてある。乗り込むと、座席が大きくて座り心地がいいし、確かに「いい音」が流れてゐる。照明も適度の薄暗さで、柔らかいジャズのギターの音が空間を満たし、滑るやうに夜の街を移動するのは、非常に心地よい。うーむ、凝つてゐるなァー。少しでも長く乗つてゐたかつたのだが、さういふ訳にもいかず、家の前でタクシーを降りる。残念なり。

 タクシーといへば、ロンドンで乗つたあの黒塗りのでかいタクシーは最高だつた。まるで馬車だ。ッて、馬車なんかに乗つた事はないんだけれど、映画の、たとへば『駅馬車』なんかで観るやうに、向かひ合はせで座ることができるのだ。でも、馬車のやうには揺れない。ッて、馬車には乗つた事がないんだつた。ロンドンでは、あのタクシーを見つけると、なるべく乗るやうにしてゐた。多分、値段は高かつたと思ふ。それでも、旅行者としては、乗る価値があると思つたのだ。さういつた事を考へると、日本の個人タクシーは、別に高くない。それでゐて、あの満足感。素晴らしい。採算、とれてゐるのでせうか。

小川顕太郎 Original: 2004-Nov-16;