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 Diary 2004・5月25日(TUE.)

時間の流れ

 タカシくん来店。タカシくんは今年 27 歳になるのだが、一応 30 歳までは好きな事をする、と決めてゐるさうで、あと 3 年もある、と呟くので、私が「3 年なんてアッと言ふ間だよ」と応じると、「いやー、それが最近は時間が経つのが遅くて遅くて。もう、この 1 年は長かつた。歳とともに、時間の経つのが遅くなるやうな気がする」と答へた。あれ? 今年の始めに言つてゐたのとは逆の事を言つてゐないか? でも、まァ、タカシくんは仕事+バイトに、習ひ事ふたつ、さらに通信大学まで受けてゐて、話を聞いてゐると色々なイベントに行つたり参加したりもしてゐるやうなので、それだけ充実した日々を送つてゐれば、時間の経つのは遅いかもしれない。これも今年の始めに言つた事だけれど、好奇心全開で一定の時間内にたくさんの経験を積めば積むほど、時間の流れは遅くなる(遅く感じる)と言ふ話だし。で、もう少し色々と話を聞くと、タカシくんはバイトを馘首されたり、新しい彼女が出来たり、その彼女が病気になつたりと、最近も激動の日々を送つてゐるやうなので、そんな様子なら確かに時間の流れは遅くなる、かも。とりあへず、「歳とともに時間の流れが遅くなる」といふのを、今日の名言にしておかう。

 ところで、タカシくんの知人で色々とタカシくんによくしてくれる女性の方がゐるさうなのだが、その人のお父さんが芸人さんだと言ふ。もう、何年か前に死んでしまつたさうなのだが、タカシくんは聞いた事もない人だ、と言ふので、私が何気なくその人の名前を尋ねると、「えーと、確か、マルセタロウとか…」と言ふのでビックリした。マルセ太郎! 確かにマイナー芸人かもしれないが、マイナー芸人の中では有名な人だよ! と教へると、今度はタカシくんがビックリしてゐた。うーん、確か一時期は映画やテレビに出てゐたやうな記憶があるのだが…。

 にしても、お客さんが来ないと、これもまた時間の流れが遅く感ぜられるのはどうしたことでせう。

小川顕太郎 Original: 2004-May-27;