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 Diary 2004・5月8日(SAT.)

『キル・ビル Vol. 2』について

 ババさん来店。『キル・ビル Vol. 2』について、私は、まァ、オッケーでした、といふ話をする。

「うーん、ボクもねェ、別につまらなかつた、といふ訳ではないんですよ、ただ、うーん、やはり、前作を面白く観すぎてしまつたかなァ…、どうしても、較べてしまうぢやないですか」

 さうですね。『1』か『2』か、と言はれれば、『1』でせうね。でも、まァ、やはりこれは『1』と『2』を合はせてひとつの作品、とみた方がいいんぢやないですかねェ。とはいへ、かなり印象が違ふんですが。

「やはりねー、デヴィッド・キャラダインが弱すぎる! 『1』では全く姿を現さないであれだけ盛り上げておいて、これかい! といふ気持ちは強いですよ。」

 デヴィッド・キャラダインは、カンフーファイトのシーンを全て削られたんですよね。なんでそんな事したんでせうね、タランティーノは。

「思ひ入れゆゑに見誤つたんぢやないですか。ボクは別にデヴィッド・キャラダインに対して思ひ入れなんかないから、キャラだちとか弱いと思つた。ビルがあれぢやァ…」

 私は、やはりダリル・ハンナがあんまり格好良すぎて、それだけでオッケーだつたんですが。

「んんんー、でも、ボクはやつぱり、ラストが許せないんですよ! 結局、全てはビルとザ・ブライドの痴話喧嘩だつた、といふ事ぢやないですか。お前等の痴話喧嘩で何人死んでゐるねん!」

 ははは、でも、ま、それは言つてみれば、全ての争ひは下らない原因から起こる、といふ事なんぢやないですか。例へば、イラク戦争はフセインとブッシュの痴話喧嘩から起こつた、と。さういふ下らない事のために、一体何人の人が死んでゐるんだ! といふイラク戦争批判の映画、といふ風に読めませんか。実際、もとはフセインとブッシュ(一族)は仲が良かつた訳だし。

「んー、強引ですねー」

 はは。私の解釈は、日記にも書いたんですけど、ザ・ブライドが自らの真の悪人性に気がついて、それを成就して幸せを掴む、といふ『悪徳の栄へ』的物語、といふ事なんですけどね。みんな『怨み節』に騙されてゐるんですよ。

「さうだつたのかー!!」

 まだ観に行つてゐない人は、是非『キル・ビル Vol. 2』を観に行つて下さいね。

小川顕太郎 Original: 2004-May-10;