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 Diary 2004・6月10日(THU.)

夢の反射

 ヤマシタさんの個展の案内状(夢の反射ー山下陽子コンパクトオブジェ展)が届いたので、見てみると、ちやうど 6 月 10 日(木曜日)が作家在廊日となつてゐた。木曜日ならオパールが定休日なので、我々もヤマシタさんに会ひに行ける。と、いふ事で、大阪まで足を伸ばしてみる事にした。

 場所は北浜にある「アトリエ箱庭」といふ所。地下鉄の出口を出た途端にトモコが「この辺りはすごーく好き。いつ来ても、気分が高揚する。」と言ふ。そこから道路を隔てた場所にある忠兵衛ビルといふ古めかしいビルの、いささかボロッちいエレベーターに乗つて 7 階まであがり、扉が開くと、もうそこがそのまま「アトリエ箱庭」である。狭い店内には古本や作品がアンティーク調の棚に飾られ、真ん中にはテーブルがあつて女性の方が数人、お酒のグラスを傾けてゐる。照明は落とされ、物憂ひ女性ボーカルが微かに流れる様に、変はつたアトリエだなーと思つてゐると、やはりここは所謂アトリエではなく、本来はバーなのであつた。バーに作品を展示し、お酒でも飲みながらゆつくり鑑賞して貰おう、といふ趣向だ。実際、チョッピリ耽美的な店内の雰囲気はヤマシタさんの作品とよく合つてをり、とても感じの良い展覧会となつてゐた。

 ヤマシタさんとの付き合ひは長いが、最近は滅多に会ふ事もなくなつてゐたので、久しぶりに 3 人で、ワインを飲みながら語り合ふ。話題は多岐に渡り、個人的には、昨年末にヤマシタさんがブラジルに行つた時の話を興味深く感じた。ブラジルには、ヤマシタさんの妹のトヨちやんが結婚して住んでゐる訳だが、なかなか凄いところに住んでゐるやうで、正に映画『CITY OF GOD』の世界! といふ事であつた。銃を持つた子供たちがとにかく怖く、命からがら逃げたことも何度があつたさうだ。それでも、街の風景や店、などがとても格好よく、「凄くオススメしたいけれど、オススメできない」といつた感じださうだ。

 2 時間ほどで、お暇する。そこから本町の方に行つて、前から行きたいと思つてゐた店を何軒か廻るが、どこも要予約、と言はれ、つまりは満席で入ることが出来なかつた。仕方なく、ピアノピアーノといふ店、まァここも行きたい所ではあつたので、に行き、料理を何皿かとり、ワインをデカンタで飲む。すると、アッといふ間に酔ッ払ッてしまつた。うーむ、帰りがしんどい。

 大阪がもうチッと近ければ良いのに、と思ふのでした。

小川顕太郎 Original: 2004-Jun-12;