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 Diary 2004・7月31日(SAT.)

第23回 六轡会篆刻展

 京都文化博物館に「第 23 回 六轡会篆刻展」を観に行く。例年なら、小先生か井谷先生、真鍋先生の誰かが会場にゐて、観にきてゐる人も何人かゐて活気があるのだけれど、今年はガラーンと誰もゐない。聞けば、今日は梅先生が来られたので、みなで早々と街に繰り出したのだ、と言ふ。フム、少し来るのが遅かつたか。まァ、よい。と、トモコとふたりで会場内をゆつくり観て廻る。

 今年の「六轡会」は、些か地味な印象である。それは、小先生の作品が真ッ黒な紙に真ッ赤な印が押してあるだけのシンプルなものであつたり、真鍋先生の作品が、真ッ黒な紙に薄黒い墨で字を書いてある作品であつたりする事によるのかもしれない。しかし、さうした見た目の地味さに惑はされてはいけないのが、篆刻である。一見地味に見える世界で、目を射る真ッ赤な方寸の世界。その中にある汲めども尽きせぬ豊饒な世界を堪能するのが篆刻なのだ。それは、昨年の小先生の作品を思はせる、壁一面を使つた井谷先生の作品についてもさうなので、大きな白い紙の上で踊る漆黒の文字群、その合間にところどころ口を開けてゐる赤色の世界、にこそ真価が宿つてゐるのである。……とか言ひながら、ついつい黒の世界に目をひかれてしまうのですが。

 その後オパールヘ。

 マツヤマさん、サコさん、ハッシー、YO ちやん、来店。4 人でご飯を食べてきたらしく、「ガーリックトースト 2 人前」と注文するハッシーに、みな驚きの声をあげる。いや、YO ちやんは別に驚いてゐなかつたか。ハッシーにとつて、ガーリックトーストは別腹、といふ事をよく知つてゐるので。

 ハッシーは先日、鈴木清順の映画を観たさうで(『殺しの烙印』『東京流れ者』『陽炎座』)、「もう、こんな映画が日本にあつたなんて、ショックですわ! 最高! 今まで見た映画の中でこんなにイイ映画はない、もうチョット凄かつたです」と、興奮の面持ちで語る。うーむ、やはり、ハッシーは清順でキたか。となれば、やはり、次は……『マッハ !!!!!!!!!』か!

 いや、映画館でもちやんと映画を観て下さいね、と云つた意味で。

小川顕太郎 Original: 2004-Aug-2;