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 Diary 2004・7月30日(FRI.)

マッハ !!!!!!!!!

公式サイト: http://www.mach-movie.jp/

 MOVIX にて「マッハ !!!!!!!!!」を観に行く。これはタイ映画であり、世界初のムエタイ・アクション映画。そして、多分、世界のアクション映画の流れを変へてしまうであらう、記念碑的傑作映画でもあるのであつた。

 いや、もう、とにかく凄い !!!!!!!!! 、のである。私は普通アクション映画を観てゐて、いや、アクション映画に限らず映画を観てゐて、なんか凄いシーンに出会すと、劇場であらうと構はず「オオ!!!」と声をあげて身を乗り出すのだが、この「オオ!!!」が 3 回もあればその映画はオッケー。素晴らしい作品である、と私の中に刻まれる。が、この「マッハ !!!!!!!!!」、一体何回「オオ!!!」と叫んだであらうか。20 回? 30 回? よく覚えてゐないが、とにかく凄い !!!!!!!!! 、のである。

 主演のトニー・ジャー。彼の身体能力は驚異的である。この映画は「CG を一切使ひません」「ワイヤーを使ひません」などと宣伝されてゐたので、それなりに凄いアクションを見せてくれるのであらうなーと、期待してゐたのだが、その期待を遙かに上回るものであつた。人間ッて、ここまでの事ができるのか、と、ほとんど感動、敬虔な気持ちが沸き上がつてきて、思はず仏像の前に深く頭を垂れてしまつた。

 タイは小乗系の仏教国である。比較的、国をあげて信仰心が篤いと言はれてゐるが、バンコクなどの都会に住む若者たちの間では、やはり宗教心は薄さうである。クスリやクルマ、クラブに賭博、と、典型的な都会のナイトライフが展開されてゐる。この映画は、仏像を単なる美術品とみなしてそれを盗み、密輸出しようとする組織と、その組織に奪はれた村の仏像(の首)を取り返すために都会に出てきたティン(トニー・ジャー)の闘ひを軸に展開する。つまりこの映画は、「失はれつつあるものの復権」がテーマなのだ。失はれつつあるもの、それは、宗教心であり、愛国心であり、民族性であり、ムエタイであり、真の映画的興奮である。それら全てを取り戻さうと企て、ほとんどそれに成功してゐるところが、この映画の記念碑的傑作たる所以なのだ。

 この映画は最後に、ジャッキー・チェンの映画よろしく、失敗シーン集が挿入される。確かにそれを見ると、いかに凄いアクションであつたかが生々しく伝はつてきて、それはそれで興味深いのだけれど、個人的にはこの失敗シーン集は要らなかつたかな。この映画には、かういふ「ナンチャッテ」感覚は似合はないやうな気がしたのだ。ま、私個人の勝手な思ひですが。

 とにかくこの映画を観てゐないと話になりません !!!!!!!!!

 必ず観るべし !!!!!!!!!

小川顕太郎 Original: 2004-Aug-1;