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 Diary 2004・7月6日(TUE.)

トト

 オイシン来店。オイシンたちは、今度のサッカーヨーロッパ大会で、トトカルチョ、のやうなもの、をしてゐたやうで、なんと! オイシンはそれに一人勝ちしたさうだ。「いやー、やりました。ま、お金は賭けてゐなかつたんですが、もし賭けてゐたとしても、ボクは受け取りませんでしたね。なんといつても、ボクは法治絶対主義ですから。法に触れることは絶対に許しません! 始皇帝万歳! …でも、思ふんですけど、ボク以外の人間が勝つてゐたら、絶対にお金をとつたでせうね。一応トトカルチョらしき形態はとつてゐる訳だし、みんなも、まー仕方ないかー、と払つたと思ふんですよねー。しかし! ひとり勝者となつたボクが敢へてお金を受け取らなかつた事によつて、法治主義が守られた訳です。うーん、『英雄』における始皇帝の気持ちが分かるなー」

 まァ、まァ、そんな事はどうでもいいから。お祝ひに、パーッとワインのボトルでもあけやう。あぶく銭は、パッと使ふのがスジだよ。

「いや、だからお金は受け取つてゐないんですけど…」

 さ、さ、もう勝手にあけたよ。オイシンも飲んで、飲んで…あ、ベッチ、いいところに来た。これ、オイシンから。トトカルチョに勝つた振る舞ひ酒だつて。

「あ、さう。ぢやあ、遠慮無くいただくわ。…ついでに、その焼酎もボトルで」

「なんで! それは、やりすぎや!」

「悪銭身につかず、といふ言葉を知つてゐる?」

「だから! お金は受け取つてゐないんだつてば!」

 や、タカハシくんまでやつて来た。はい、これ、オイシンから、好きなだけ飲んでいいッて。

「マジッすか? ぢやあ、オイシンさんに、カンパーイ!」

「ああ! なんで店主まで飲んでゐるんですか! 仕事中でせう!」

 うるさい。もう、今日の売り上げはオイシンひとりに任せた。

「何を言つてゐるんですか! んんんー、帰ります! もう、帰りますよ!」

 おう、ぢや、儲けたお金は全部置いて行けよ。

「だから! お金は受け取つてゐないんですッてば!!!」

 あー、酔ッ払ッた。

小川顕太郎 Original: 2004-Jul-8;