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 Diary 2004・2月18日(WED.)

いぬちやん

 我が家には「いぬちやん」と呼ばれる謎のモノがある。これはトモコが折に触れ購入する様々な謎のアイデア商品のひとつで、少なくとも私はさう認識してゐるのだが、とにかく買つて数日はトモコも使用してゐるやうなのだが、すぐにそこら辺に放り出されたままになる、邪魔・無駄なもののひとつである。このやうなモノは我が家には多く、ただでさへモノの置き場に困つてゐるのに、何のために使用するのか謎の物体がゴロゴロしてゐるのは不興に耐へない。が、あるのだから仕方がない。私はこの「いぬちやん」を取り上げた。

 このモノは、胴の長い犬の形をした物体で、肌触りは柔らかく、適度に重い。もともとはこれを両目の上に乗せると、目の疲れがとれる、といふ代物らしい。私もパソコンに向かつて日記を書いてゐる時に、何度かこれを目の上に乗せてみたが、目の疲れがとれる前に首が疲れてしまい、すぐ止めてしまつた。やはりこいつも無駄な商品であつたか、と思つてゐたのだが、ある所でアイマスクの効用を聞き及び、こいつは使へるのではないか、と考へ直した。アイマスクとは、よく飛行機などでかけてゐる人がゐる目につけるマスクで、瞼を通して入つてくる光りを遮断して、眠りやすくするモノである。が、このアイマスクは、光りを遮断するだけでなく、瞼を軽く圧迫することにより、交感神経の働きを抑へ、安眠へと導く作用もあるといふのだ。といふことは、「いぬちやん」でも同様の効果がのぞめるはずだ。私は昔から寝付きが悪く、毎晩のやうに寝るといふことに対して苦労してゐる人間なので、早速ためしてみることにした。

 布団に入り、「いぬちやん」を両目の上に乗せる。なかなか感じがいい。スウッと意識が遠のき、心地よい眠りがジワジワと這ひよつてくる。……うつらうつらと夢と現の間を漂つてゐるうちに、ハッと目が覚めた。起きてしまつた。…あれ? 「いぬちやん」がゐない。横を見ると、トモコが「いぬちやん」を目の上に乗せてスヤスヤと眠つてゐた。

 あんまり腹がたつたので、日記に書いてみました。

小川顕太郎 Original: 2004-Feb-20;
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