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 Diary 2004・2月12日(THU.)

セクハラ

 先日ワダくんから、「ボクの大学の先生、もう 3 人もセクハラが原因で職をおはれてゐるんですよ。どう思ひます?」と言はれたのだが、私は、事情がよく分からないし何とも言へない、と慎重に答へた。実際、セクハラの問題は難しい。もちろん、セクハラは許されるべきではないが、非常に冤罪も多い、と言はれてゐるからだ。確かに冤罪は多いと思ふ。が、また、日本の権力を持つたオヤジといふものが、如何に簡単にセクハラをするかも、私は知つてゐるので、詳しい事情が分からないかぎり、コメントは難しいのだ。

 それに、いくら冤罪が多いとはいへ、これまでセクハラ関係で冤罪になつた男の人の数と、セクハラ関係で泣き寝入りをせざるを得なかつた被害者の女性の数を較べると、後者の方が圧倒的に多いと思はれるので、当分、後者による復讐は続くと思はれるし、それもある程度は仕方がないか、とも思ふ。とはいへ、冤罪によつて罰せられたり社会的に葬られたりするのは、たまたまそれに当たつた人にとつては堪つたものではないので、やはりそれも避けるべきだらう。難しいなぁ、と思つてゐたら、日垣隆が『裁判官に気をつけろ!(角川書店)の中で、ひとつの案を示してゐるのに出会した。

 それは痴漢の冤罪についての対策案なのだけれど、なかなかに頷ける。まづ、何故痴漢の冤罪が頻発するやうになつたのか、と日垣隆は問ふのだが、それは条例(迷惑防止条例)が出来たからである。条例だと、厳密な捜査もなされずに、被害者側の証言だけで簡単に逮捕して罰することができるのだ。では、なぜこんな条例が跋扈してゐるのかといふと、それは法律及び法律関係者が全くなつてゐないからなのだ。とにかく日本の法律、それも刑法は、男根主義的といふか、女性蔑視的といふか、ひどいものである。が、それ以上に酷いのが法律関係者(検察、弁護士、裁判官)で、彼らの男根主義・女性蔑視は想像を絶してゐる。女性を強姦しても、被害者は一応抵抗してゐたが本心はさうでもなかつたんぢやないか、と勝手に想像して、無罪を乱発してゐるやうな人たちなのだ。女性を脅して、縛り上げて、裸にして、散々弄んでゐるうちに、興奮のあまり射精してしまつた犯人に対して、これは強姦未遂だと判断して罪を思いつきり軽くするやうな人たちなのだ。ほんまか? と、普通の人なら思ふだらう。でも、さういふ人は是非、この『裁判官に気をつけろ!』日垣隆著(角川書店)を読んでほしい。もつと、もつと、とんでもないバカタレ判決がわんさか載つてゐます。必読。

 とにかく、刑法がこのやうな酷い状態だからこそ、条例で女性を守らなければならなくなり、条例が跋扈する事態を招いてゐる、と。故に、急がれるのは刑法の改正、及び法律関係者の頭の中の改正だ、と日垣隆は主張する。なるほど、その通りかも。とはいへ、刑法の改正が自主的に法律関係者によつてなされる事は当分なささうなので、まづ国民が事態の酷さを認識し、社会的コンセンサスを作り上げることが大切だと思ふ。ので、まづはこの『裁判官に気をつけろ!』日垣隆著(角川書店)を皆が読めばいいんぢやないか、と思ひます。賛成するにしろ反対するにしろ、それから色々考へていく、と。

 それにしても、日垣隆はいい仕事をしてゐるなァ。

小川顕太郎 Original: 2004-Feb-14;