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 Diary 2004・2月11日(WED.)

遅々として進まず

 台湾日記が遅々として進まない。もう 2 月だといふのに、まだ 1 月 7 日のことを書いてゐる。かなり飽きてきた、といふのもあるし、すでに記憶が怪しくなつてきた、といふのもある。だいたい、1 日に 2 日分も日記を書くのが苦痛なんだ。しかし、なんとか仕上げなければならない。無理矢理、取り組んでみたりする。

 が、遅々として進まないものは他にもあつて、それらがお互ひの足を引つ張りあつてゐるのだ。その中で急を要するものは、確定申告のまとめでも、銀行に提出する書類でも、町内会への出席でもなくて、日本篆刻展へ出品する作品を作ることである。実は前回の篆刻教室の時に、突然、私も日本篆刻展に出品するやうにといふ申し渡しがあつたのだ。そんな事は考へた事もなかつた私は大いに驚き、狼狽へたのだが、13 日の金曜日までに石に布字して持つてくるやうにと、先生から言はれてしまつたのだから仕方がない。とにかく、やるしかない。とはいへ、色々と頭を悩ます要素はある。布字とは、石に刻す字を書くことだが、篆刻においてはこの布字が非常に重要といふ事になつてゐる。布字がキチンと出来れば、篆刻は 8 割方完成と言つても過言ではない、とまで言はれたりするのだ。だからみんな布字には精魂を傾ける。うむ。しかし、私はなんと、布字をいつもいい加減にやつてゐたのだ!! …理由は、ある。私は不器用といふか、要は下手くそなので、布字の通りに字を刻すことが出来ないのだ。いつも、刻し終はると、布字と全く違ふ形になつてゐたりする。だから、布字は適当にして、いつも刻す段階で調整するやうにしてゐたのだ。だから、今回のやうに、布字したものを先生に見せなければならないといふ事態は非常に困る。キチンと布字する自信がない。あぁぁ、どないしよ、と頭を抱へるばつかりで、身体が怠いとか、お腹が痛いとか、ピアス穴が気になるとか、なんとか理由をつけてはのらくらするばかりで、遅々として進まない。しかし、13 日は 2 日後だ。そろそろ腹を括らなくては。といふ訳で、今から布字にとりかかります。

小川顕太郎 Original: 2004-Feb-13;