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 Diary 2004・2月1日(SUN.)

野良猫ロック
ワイルドジャンボ

 ショウヘイくんが、「近くのビデオ屋に『野良猫ロック』シリーズのうちの 1 本が入つたんですけど、観ますか」と言ふ。映画『野良猫ロック』シリーズは、京都で特集上映が行はれた際に、5 本中 4 本まで観た。観てゐないのは、確か 2 作目だけのはず。で、ショウヘイくんが借りてきたものをみると、ドンピシャで 2 作目の『ワイルドジャンボ』であつた。これは、観ろといふ事だな。ショウヘイくんに借りて観る。

 さてこの『ワイルドジャンボ』、監督は 5 作目『暴走集団‘71』と同じ藤田敏八。『野良猫ロック』シリーズは、1、3、4 作目を長谷部安春、2、5 作目を藤田敏八が撮つてゐて、この二つは全くの別物である。その事を 5 作目を観た時に痛感した。『野良猫ロック』シリーズは、本来女暴走族ものの映画であるはずなのに、藤田敏八のは、左翼ヒッピー映画になつてゐるのだ。梶芽衣子も、ほんの言ひ訳ていどに起用されてゐるだけ。私は「騙された!」と叫んだものだ。

 このやうな訳で、いささか危惧しながら映画を見始めたのだが…、その危惧は当たつてしまつた。5 作目ほど露骨ではないが、主人公たちはヒッピーである。いや、まァ、フーテンと言つたところか。主人公たち(藤竜也、梶芽衣子、地井武雄、ら 5 人で構成された「ペリカンクラブ」)は、正教学会といふ、明らかに創価学会をモデルにした新興宗教団体の、信者からのお布施金を強奪しようと企てる。が、失敗して最後には全員殺される、といふ話。若者たちの退屈、行き場のない閉塞感、挫折、などを描かうとしたのだらうが…つまらない。ダメだなぁ、これでは。アメリカン・ニューシネマをやりたかつたんだらうなァ。うーん。チラッと出演してゐる和田アキ子はいい感じ。やはり、梶芽衣子には、最低 5 回は着替へて欲しかつた。そんな映画ぢやないんだらうけど。でも、『野良猫ロック』はさういふ映画のはずです。私の思ひ込みですが。

 とりあへず、これで『野良猫ロック』シリーズは全て観た、といふ事で。

小川顕太郎 Original: 2004-Feb-3;