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 Diary 2004・8月30日(Mon.)

DIRTY

 最近の私は、専らヒップホップはチカーノものとサウスものを聴いてゐるのだが、PV といふ事になれば、チカーノものはあまりない(インディー丸出しのチープなものならあるのだけれど、あまり流通してゐない)故に、主にサウスものに目がいく事になる。実際、ヒップホップの世界でも今やサウスものが席巻してゐるので、サウスものの PV は実に多いし、目につくのだ。ちなみに PV とはプロモーションビデオの事で、現在のヒップホップの隆盛をもたらした重要な要因のひとつに、この PV があると云はれてゐる。つまり、ファッションや身体の動かし方、ライフスタイルや美意識を含めた、トータルな価値観としての「ヒップホップ」が、PV を通して世界に発信されることによつて、現在のヒップホップブームが起きたとされるのである。まさに「ヒップホップ」といふ価値観が、今一番カッコイイものとして消費されてゐる、といふ事なのだ。

 で、そんなヒップホップの世界で今サウスものが一番流行つてゐる、といふ事は、サウスのヒップホップが今一番カッコイイといふ事になる。正に私もさう思ふ訳で、音楽としては勿論、ファッションにおいても、今はサウスものが一番だ。ではサウスの人たちはどのやうな格好をしてゐるのかといふと、基本的にはオーバーサイズの服を着るといふ、従来のヒップホップファッションなのだが、全体にもつと暑苦しく、ゴチャゴチャしてゐる。たとへば、オーバーサイズの服を着たら、バランス上、頭は丸めるかタイトに纏めるのが従来のスタイルだが、サウスの人たちは、長髪だつたりする。かなり鬱陶しい。そしてやたらとタトゥーを入れたり、歯が総金歯・銀歯だつたりするのだ。色使ひも、なんだか下品なものが多い。しかし、これらが全てカッコイイのだ! この、一見すると凄くダサいやうなファッションセンス。現在のサウスを呼ぶ時に、よく「ダーティー・サウス」といふ言葉が使はれるが、正にこのセンスは「ダーティー」と呼ぶに相応しいものだらう。「ヒップ」や「グルーヴィー」、「クール」など、格好良さを表す基準となる言葉は色々とあるが、今は「ダーティー」だらうな。いや、実際、彼らが「ダーティー」と言ひ合つてゐる訳ではないと思ふが、この「ダーティー」な感覚は、今の私に相当訴へるものがある。

 が、オパールは「ダーティー」な店ではない。故に、どうもサウスのヒップホップをかけてもシックリこないし(何度かやつてみたけれど、挫折。やはりセクシーでメロウな R & B ですか)、私自身も、歯を総金歯にする訳にはいかない。オパールとビーバーで作つたコラボ T シャツも、「ダーティー」といふより「クール & キュート」である。しかし…ああー! でも、やりたいなー、総金歯。カッコ良すぎる。…とりあへず、髪の毛は伸ばし始めてゐるのですが。

 本日は台風接近中のため、夜はほとんどお客さんなしでした。

小川顕太郎 Original: 2004-Sep-1;