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 Diary 2004・8月19日(Thu.)

大食ひ

「通販生活」といふ雑誌は、そのあまりにアナクロな左翼振りが滑稽といふよりはほとんどグロテスクな代物だが、たまには面白い記事を載せてゐて、それでついつい読んでしまうのだけれど、今出てゐる秋号では、大食ひ選手権優勝者たちによる座談会が載つてゐて、これが面白かつた。

 私はテレビを見ないので知らないのだけれど、新井和響、赤坂尊子、木村登志男、岩田美雪といふメンツで、それぞれ大食ひ界では名の知れた人々らしい。満腹するまで食べてゐたら、月の外食費は 150 万円を超す、とか、胃は大丈夫だけれど歯がボロボロになる、とか、テレビの大食ひ大会で出る食べ物は不味い、とか、一日にトイレに 60 回は行く、など、この座談会は興味深い話満載なのだけれど、個人的には前から謎に思つてゐたこと二つに、具体的な言及があつたのが嬉しかつた。

 そのひとつは、何故大食ひチャンピオンは痩せてゐる人が多いのか、といふもの。これは、皮下脂肪がない方が自由に胃が大きくなれる、といふ事に一因があるらしい。実際、彼・彼女らがドンドンと食べ物を詰め込むと、ウエストは 20 センチ以上広がるし、なんと! 背中までふくれてくるのだといふ。太つてゐる人は、皮下脂肪が邪魔して、かうはいかないのださうだ。

 ふたつめは、大食ひの人たちは、満腹中枢が壊れてゐるのではないか? といふ疑問。際限なくご飯を要求し続けるボケ老人とどこが違ふのか。これに対して、彼・彼女らは一斉に否! と答へる。みな 3 時間ほど食べ続ければ、満腹感を覚えるのださうだ。だから満腹中枢は壊れてゐない、と。なるほど。しかし、やはり、どこか壊れてゐるのでは…。

 アメリカのホットドッグ早食ひ競争で、毎年 2 位以下に圧倒的な差をつけて優勝するため、アメリカ人から迫害を受けてゐる(外国人の参加費が 8 万円から 80 万円に値上がりしたり、ドーピング疑惑をかけられたりしてゐるさうだ)新井和響は、大食ひは日本の文化だ、と言ふ。うむ、さうかもしれない。

 と、いふ訳で、日本の文化を守るため、みなさん是非オパールで鯨飲牛食してください。

小川顕太郎 Original: 2004-Aug-21;